いつもどこかで成果を追い求めて、
そこそこ結果が出れば少しの間、
気が休まり、出なければ
無価値感に苛まれる。
そんな終わりのない
自己の存在価値を証明し続ける
孤独なレースに駆り立てられている。
現代人の多くの人生は、
多かれ少なかれ、そんなところが
あるのではないでしょうか。
これを達成したら、
憧れの品物をゲットしたら、
あそこに行けたら、
自分は理想の自分になれるはず！
そんな思いで、がむしゃらに頑張って、
ようやくそこにたどり着いたと思ったら、
満たされたのは一瞬か、あるいは
まるで満たされず、これじゃない、
違った、という失望感で、
また別の目標探しが始まる、みたいな。
そんなことを繰り返す内、
こんなことをいつまで続けていても、
結局心が休まることはなく、
幸せにはなれないんだ、とどこかで
気付いているのでしょう。
けれど、骨の髄まで染み込んだ
いま幸せでないのは、
理想の自分になっていないからだ。
理想を達成すれば幸せになれるはず！
というプログラムは容易に削除できず、
結局また同じことを繰り返してしまう。
だから、嘘くさくて信じられない
この茶番レースに、失望を抱えながら
参加しているのかもしれません。
私たちの多くは、
心の奥底では、もうこのレースから降りたいと
願っているのではないでしょうか。
そんなとき、事故に遭ったり
病気になったり、何らかの避けられない
事情でレースをリタイヤしなければ
ならなくなったとき、
一瞬、絶望を感じながらも、
どこかで、堂々とレースから降りられる
理由をゲットして、ホッとする
のかもしれません。
ずっとそんな理由を探していた
自分に気づいたり、ね。
本当はやりたくないのだけれど、
自分から積極的に「やりません！」
とは言い辛い。
世間体や、周囲の目もあるし、
そのプレッシャーに逆らって
自分の意志を通すのは、
我儘なんじゃないかという
後ろめたさもある。
結局、自分の自身に対する
プレッシャー故に、本心を捻じ曲げ
固く封印して、渋々やりたくないことを
やり続けているわけです。
中には、心や体がボロボロになっている
人も少なくありません。
社会的に、こうあるべきという
大人の理想像、常識で
自分をがんじがらめにしているのですね。
頭ではどうにもこのプログラムを
解除できなくて、体の方から
強制終了をかけられるケースもあります。
何を隠そう（別に隠してないけど）
私自身もこの仕事をする前は、
そんな感じで心身がズタボロになって
前職を強制終了したクチです（＾＾；
私の場合は、仕事自体は天職だと思うほど
好きだったし、プライドもあったので、
余計に質が悪かったですね。
結局、不足感や無価値感に駆り立てられて
どれだけ頑張っても、在るがままの自分を
拒絶し続けていたら、同じところに
戻ってきますよね。
自己の存在証明レースを降りたら
どんな風に生きて行けばいいのか、
その答えを自分で見つけなければなりません。
こうあるべき、これが素晴らしいということ
という理想像は、外から植え付けられたもの
であることがほとんどです。
それを外した自分は、
何を喜び、何を嫌っているのか。
何に安心し、何に不安を感じるのか。
それを知る感覚を取り戻していくことが
最初の手掛かりになります。
結局、無理を続けて行けば、
本来の自分とはかけ離れたストレスを
ため込んで、どこかで破綻し
軌道修正を迫られるでしょう。
チャレンジすることももちろん
大切ですが、その動機が恐れからではなく、
喜びと希望からであるように。
心の深いところの違和感や不安感を
握りつぶさず、よく対話するように。
頭の理屈ややるべきメリットを並べ立てて、
その不安感を説得しないように。
心の奥が無理なく、すっと進めることは、
深いところからの羅針盤がＯＫサインを
出しているということです。
逆に、それをやることに
ものすごく、やるべき理由を重ねなければ
やる気にならないこと、頑張っても
身が入らないこと、心が苦しくなることは
今、やるべきことではないのかもしれません。
無理をしないことを、怠けているとか、
自分に堪え性がないからだとか思う人がいますが、
人生、そんなにむやみにストレスをかけて
生きなくてもいいんですよ。
自分をご機嫌な状態にさせてあげるのも、
自分の使命です。（自分一人、好き勝手に
すれば良いという意味ではありませんよ）
人生はもっと優しく、幸せなものであっていい。
そう自分に許せたら、許せた分だけ
そうなっていきます。
頑張りすぎるあなたへのメッセージ。