人生生きていれば、誰だって
思うようにならないことを
経験するでしょう。
人生のごく初期に、求めても求めても、
絶望的なまでに欲しいものが得られたかった
方も少なくないと思います。
そんな満たされない苦しみの中で、
いつしか私たちは望みを諦め、
それが最初からなかったかのように
人生を生きていきます。
心の奥底に、深い絶望と、
満たされぬ苦しみを沈めて。
そうすると、表面的には
平穏に生きてはいきます。
諦める前の、絶えず苛まれていた
みなされない苦しみも感じることが
ないというだけでも、どれだけ
有難いことか。
けれど、深いところに沈められた
あの絶望と苦しみは、
決してなくなったわけではなく、
ただ感じなくなったというだけのこと。
それは、じわじわと無意識に
日常の様々な意思決定、選択の場や
気分にも影響を与えます。
一番は、なんでも求める前に
諦めて求めることを止めてしまう。
自分の意志表示をしなくなる、
ということが挙げられます。
そして、
本当は自分が何を求めていたのか、
キャッチする感覚が麻痺しているので、
自分がわからなくなっていきます。
さらに、
自分自身の願いを生きることを
しなくなったことで、
生命エネルギーが淀み、不活性状態に
なって活力がなくなっていきます。
だんだん、生きる喜びを感じられず、
自分の人生なのに、まるで他人事のように
実感が薄くなって行ったりします。
確かに、人生はすべての望みが叶うことは
ないかもしれません。
けれど、自分が自身の望みに対して、
どんな行動をしたのか、というのは
とても大切です。
どうせ叶わないから、行動しないのと、
叶うように最善を尽くしたにもかかわらず
叶わなかった、というのとでは、
まるで体験の意味が違いますね。
重要なのは、
自分の望みが湧いてきて行動したなら、
その結果がどうであれ、
体験のすべてを拒絶することなく
受け止め、味わうことです。
求めた。行動した。でも得られなかった。
とてもショックで傷ついたのなら、
そのショックで傷ついた気持ちと現実を
しっかり受け止め、この心と体で
生きるのです。
それをしないで、心の奥に沈めるから、
先に進めなくなるのです。
感情解放のセッションでは、
それがどんなに辛い気持でも、
深い絶望であったとしても、
その時の自分に受け止められる分、
少しずつでも良いから現実を受け止め、
辛い気持ちに触れて、生きるように
導きます。
あまりにも辛すぎる出来事を経験すると、
私たちは一時的にショック状態にして
心の活動を停止させ、それ以上心が
崩壊しないように自分を守ることがあります。
けれど、これはあくまで緊急避難措置であり、
健全な状態ではありません。
いつか、きちんと向き合えるようになったら、
この状態を解除して、心の機能を
復活させてあげないと、
機能不全の状態でずっと生きていくことに
なってしまいます。
こういう緊急避難的な状態が何年、何十年も、
あるいは人生をまたいで持ち越している人も
たくさんいます。
これが、諦めるという痛みの回避行動の
副作用です。
だから、私はいつも、
諦めというのは、感情の蓋であり、
逃避行動の一種だと説明しています。
諦めによって弱くなっている
生命力を回復させていくには、
諦める前に感じていたはずの痛みを
受け止めることと、そして
本当は求めていたけれど飲み込んで
表現しなかった言葉を吐き出すことです。
結果がどうであれ、
飲み込んだままのときよりは、
心も緩んでいきます。
セッションでは、相手の意識にも入って、
どうしてそんな反応をしたのか、
その望みが受け入れられなかったのか、
原因となった感情にも取り組んでいきます。
すると、さらに絶望の根っこにも
アプローチできるので、
望みが叶わなかったという
ストーリーまで転換したりします。
イメージワークの中での変化でありながら、
その影響は今を生きる自分に及び、
もう叶わない望みに絶望している自分は
消えていきます。
そうやって、今と未来が変わってくるんですね。
諦め癖がついている人は、
自分でそれと気づいていないことが
多いですが、
よくよく振り返ってみて、
気付くことができたら、
心の奥に沈めた思いをイメージワークでいいので
ぜひ吐き出してみてください。
心の奥底の澱がクリアになって、
自分が発信しているエネルギーが
変わっていきますよ。
やる前から諦めて腐る癖を転換し、
望みのために行動して結果を潔く
引き受ける自分でありましょう。