昨日と同じ今日、今日と同じ明日が
やって来るなんて保証はどこにも無いのに、
私たちの多くは、無意識にもそう信じて
日々を送っているところがあると思います。
けれどそんな思い込みが、
あるとき一瞬にして壊れて、
平凡な毎日がどれだけ幸せだったか、
と嘆いたりします。
頭では分かっていても、なかなか
肚の底までそうではない意識で
生きていることって、
少ないかもしれません。
大切な人との関係が壊れてしまったとか、
亡くなってしまった、
財産が一瞬で奪われてしまった、
故郷が無くなってしまった、
勤め先から解雇された、または倒産した、
重い病気になってしまった、
などなど。。。
これまでがそうだったから、
これからもそれが続くだろう、
変わっていったとしても、
ゆっくりだし今日ではないはず。
そんな意識で居るから、
それを裏切るような現実が起こると、
なぜ？どうしてこんなことが？？？
と、なかなか受け入れられません。
突然去って行った相手に
理不尽だ！と怒って恨んでみたり、
茫然自失したまま固まっていたり、
現実を受け入れずになかったことにして
これまで通りを貫こうとしたり。
このように、外的な状況に対して
私たちは往々にして、
変化を嫌うところがあります。
そしてまた、内的なものに関しても、
そういう傾向は同様に現れます。
これまでの自分を変えたら、
自分が積み上げてきたものが
無くなってしまう感じがするとか、
否定された気がするとか、
自分じゃなくなってしまうとか。
どれだけこうした言葉が、
様々な方の口から出てくるのを
聞いたことでしょう。
これまでがそうだったから、と言って、
どうしてこれからもそうしなければならない、
そうであるべきだと言えるのでしょうか？
別に、変える必要がなければ
変えなくてもいいでしょうけれど、
あらゆる状況が、もうそのやり方を
続けるのは無理だと示唆しているのに、
それを続ける意義は、
どこにあるのでしょうか？
とは言え、
頭でわかっていても、
別のところで根深く抵抗するんですね。
この抵抗の要素を肉体に例えて言うと、
筋膜みたいなものかな、と思います。
柔軟体操をしようと思っても、
体ががちがちで固い人は、そのままでは
そうそう伸びません。
じっくり少しずつ痛いのを我慢して
伸ばしていって、やっと伸びるように
なるのですが、
筋膜というものを剥がすようにすると、
驚くほど体の可動域が広がって、
今までできなかった動きがすんなり
できるようになったりしますし、
体の形自体がすごく変わったりしますね。
それと同じように、
心にも心の筋膜みたいなのがあって、
今までとは違った状態になることを妨げ、
これまでの形に固定化させるような
働きをするものがあるような気がします。
こういうのを、筋膜リリースするように
ジワジワ剥がしていくと、
心はすっきり軽くなって、
今までできなかった行動や選択が
するっとできてしまう、なんてことに
なるわけです。
変化するばかりがいいとは言いませんが、
いつでも、どんな状態でも動ける
柔軟な心の在り方で居た方が、
肉体と同じで心も硬直しないで
新陳代謝が活発になり、若々しくいられますね。
心も肉体と同じで、
傷のあるところは固く、硬直していたり、
しこりがあって血流を妨げるように
エネルギーの流れを妨げたりします。
肉体なら、傷があれば見えるから
直そうとして傷を保護したり
骨折なら固定して骨がつくまでは
動かさないようにしたりと手当てをしますが、
心は見えないので、
本当は全治数か月の傷を負っていたとしても、
本人も周囲も、それがどの程度のものなのか
どこにどう手当てをしたらいいのかなど、
わからなかったりするんですね。
自分でもなかなか気づけないことも
ありますが、どうもおかしいと思ったら、
それなりに手当したり休んだりすることも
必要です。
状況に自分がうまく対応できていない場合、
そういう心の傷やしこりが影響している
こともあるので、そういう場合は
傷やしこりへの対処が先です。
脚が折れているのにフルマラソンしようとは
しないように、心が状況に対応できる状態を
整えることに専念しましょう。
そういうところを丁寧に整えてあげると、
心の可動域も広がって、
今まで臆病だったのに、
どんどんチャレンジしていきたくなる！
みたいなバイタリティーがでてきたりします。
自分を無理やり奮い立たせるのではなく、
奮い立たせなくても自然に
動けてしまう状態を作るのです。
そういう意味でも、
自分がなぜ動けなくなっているのか
その理由や事情に心を向けることも
大切です。