セッションで、様々なご相談をお受けする中で、
立場的に、あるいは感じ方、捉え方にものすごく
共感できることもよくありますが、
そういうときほど、自分の経験や社会通念、
常識などからアドバイスしないようにと、
気を付けるようにしています。
というのは、その方にとって何が最善かは、
そうしたものからは導き出せないからです。
だから、たとえ深く共感できたとしても、
それはそれで脇にいったん置いておいて、
改めてその方が置かれた状況からエネルギーなどを
読み取って、そこから示されたメッセージを
お伝えするようにしています。
すると、なるほど、そういうことか、
と思うようなテーマが差し出されていることに
気づくこともしばしばです。
そうしたメッセージを元に
感情解放のヒーリングセッションに入ると、
それまでその方の価値観でがっちりと
組みあがっていた世界が、大きく転換
していくような流れになることもあります。
世間的にはよくありがちな出来事なのだけれど、
「そういうものなのよね~。仕方ないよね」とか
「そういう時はこうすべきなのよ」とか、
これまたよくありがちな対処法では
根本的な解決にはならず、その人の魂の学びを
受け取って成長していくアドバイスにならない
こともあるのだと思います。
出来事から何に気づき、学び、応答していくのかを
教えてくれるのは、そうした常識や社会通念
ではなく、
まさにその出来事から生じている
違和感や苦しみ、生き辛さといった
気持ちのカケラ君の声を真摯に聞いて
応答していくことなのです。
だから、「導きは内側からやって来る」
わけですね。
ひょっとしたら、その導きは、
社会通念や常識とは正反対の方向に進めって
導くかもしれないし、ものすごく突飛に
思えるような方向に導くかもしれません。
でも、それがなぜなのか、そうすると
どうなっていくのかは、その時点のエゴには
わからないのです。
ただ、ひとつひとつ、その瞬間に差し出されたもの
に丁寧に対峙し、応えていくと、
ちゃんとわかってくるんですね。
その出来事の意味や、何が課題なのか。
魂はどんなチャレンジをしたかったのかが。
そして、結果的に、導きに従って本当に良かった!
それが正解だった!って思うんですね。
だから、過去の経験や常識といった
エゴの領域であるマインドからは、
魂にとっての正解は導き出せないのです。
故に、クライアントさんのお話を伺うとき、
私は自分が個人的にどう思おうと、
いったんそれらは脇に置いて、
あらゆる選択肢に対してニュートラルな状態から
お話を伺います。
たとえば、離婚や不倫、裁判、病気、夢を追うこと
などなど。
頭から「それはいけないこと」とか、
「家族もあるんだし」とか、
「早く治って」とかはたとえ思ったとしても、
セッションを進めていくときは
それらは外したところから見ていきます。
魂の学びから見たら、
その人は幼い子供を残して離婚をする必要が
あるのかもしれないし、
パートナーや子供がいても、恋に身を焦がす
必要があるのかもしれません。
仕事でとんでもなく理不尽なことに辛抱強く
耐えて、何かに気づかなければいけないのかも
しれないし、
酷い裏切りに遭って、心身ボロボロになるような
経験をする必要があったのかもしれません。
一見、最悪に見える出来事も、
打ちひしがれ、こじれたままでは
学びは完了したとは言えません。
そのことの本当の意味が分かるのは、
完全にその出来事を消化・昇華させ、
心底の感謝と愛に打ち震えたときです。
そこに至るまで、とことん向き合うことですね。
自分の気持ちに正直に、逃げないで受け止め、
統合しながら行動する。
その先に、ものすごい意識の変容とシフトが
あるのです。
これをどこかで妥協し、頭でわかった風に
納得させたのでは逃避であり、変容やシフトも
起こり様がありません。
よく、ピンチはチャンスと言いますが、
危機を好機に変えるには、その状況に
意識が留まっていられる力が必要です。
そうでなければ、状況にまともに対応できません。
感情解放ワークでは、命の呼吸をしたり、
飲み込んだ言葉を吐き出すなどして
爆発しそうな感情を統合していきます。
こうすると、そこにいても大丈夫になります。
そういう状態になってはじめて冷静に
状況を捉え、行動できるわけですね。
こうやって感情のエネルギーを統合しながら、
どんどん自分の中で変容が起こります。
その変化した自分で改めて世界を捉え直した時、
かつて「問題」と見えたものは「問題」でなくなり、
別の行動の選択肢が現れてくるのです。
言って見れば危機は、次の段階に行くために
脱ぎ去っていくべき古いパターンのエネルギーを
強制的に処理させるためにやってきている
とも言えますね。
だからこそ、向き合うべきことから
逃げてはいけないのです。
ちゃんと向き合って、
ちゃんと脱皮していきましょう。
今苦しんでいるのも、悪いことではありません。
自分を責めることなく、何を見るべきなのか、
受け止めるべきなのか、すべきことに集中しましょう。
すべての歩みに、祝福を。