先日、常連のクライアントさんがお母さまを
お連れになって、セッションさせていただきました。
丁度私の母と同じくらいの年代（70代）の方です。
どの年代の方がお見えになっても、
基本は、その方の生きてこられた人生と
対峙していくことは変わりませんので、
10代の方から70代の方まで、
幅広くお話を伺いながら、
その方の中で時を止めてしまった人生の時間に
命の息吹を取り戻すお手伝いをさせて
いただいています。
ただ、その時のセッションで振り返る人生の
時代背景というのは、無視できない要因なので、
注意深く確認していかなければならない
ところでもあります。
今の時代には想像もできないような、
大前提となっている社会的な常識や、
その時代の人々の集合意識があるからです。
たとえば、70代以上の方というと、
この国で言えば戦中戦後の混乱期に
生まれ、育った方たちです。
焼け野原になった街を呆然と見渡しながら、
戦争で家族を失った悲しみを抱え、
必死でその日その日を生き抜かねば
ならなかった大人たちを見ながら
育ってきた方たちです。
中には学徒動員で、今だったら楽しく友達と
駆け回りながら遊んでいるような年代で、
工場で働いていた方もいたでしょう。
私が住んでいる東京の下町では、
東京大空襲で焼け野原になっていますから、
小学校の時は、戦争体験を年配の方に聞く
という授業がありました。
そのときは教頭先生がお話をしてくださった
記憶があるのですが、
その焼け野原になった街を、死体の山をかき分けて
親を探したという話が今でも忘れられません。
そんな子供が溢れていた時代でもあるのです。
今では想像もできないような壮絶な体験が、
ごく普通の、一般の方の人生の記憶に
刻まれているのですね。
あるいは、もっと前の時代になると、
身分制度というものが集合意識の中に
はっきりと出てきます。
使用人と、使用される側の意識や気持ち、
家柄の違う家へ嫁いだ女性の立場、
婿に入った男性の複雑な感情など、
色々ありますね。
こういうのは今でもあるのかもしれませんが、
より色濃く見られ、また微妙なニュアンスの
違いもあるような気がします。
過去世の場合なんかは、私のあまりよく知らない
土地や時代もあれこれ出てきますから、
その場合は周辺の登場人物の意識に入って、
この時代の人はそういうことをするんだ、とか、
これでそんな気持ちを抱くんだ、とかいうのを
より注意深く確認していきます。
そうした時代背景の要因を抜きにしても、
人間の喜怒哀楽はあまり変わらないので、
とにかく基本はその方が何を体験し、
どんな気持ちを抱いていたのかを
徹底的に掘り下げていきます。
時代的に、
みんなそうだったんだから仕方がないよねとか、
今ほど心の癒しの手法が知られていなかった時代、
蓋をしてやり過ごすしか生きていく術が
なかった人たちがいるんですね。
そこを、いかに開いていくか。
今さら、という思いもあるでしょうし、
それをしてしまったら、我慢に我慢を重ねて
耐えてきた時間のすべてが無駄になってしまう、
否定されてしまう、と思う方もあります。
それでも、段階を追って丁寧に
お話をさせていただくと、
そうよね。もうそろそろ楽になってもいいかな、
という気持ちになっていったりもします。
来世への持越しや、子孫へ伝わっていくことを
思えば、死んだら終わり、ではありませんからね。
自分のことはどうでもいいわ、という方でも、
そんな風にお伝えすると、お気持ちが動くことも
多いです。
そんな姿を見ると、親という存在は、
偉大だな、と思います。
時代的に、自分を大切に、と言っても、
到底それが叶わなかった人生を送られてきた方も
決して少なくはありません。
抑圧に抑圧を重ねて、自分を殺しながら
生きてきた、そのすべての時間の苦しみを
癒し、労い、そして寄り添うことで、
自分の人生を祝福し直していきます。
そうして、もう自分を殺しながら生きる人生は
完了させ、今からは自分を慈しみ、大切に
していく人生を始めることができます。
人の人生には、また魂にとっても、
節目、区切りというものがありますね。
自分を罰し続けてきた人生の終わり。
誰かを呪い、恨み続けた人生の終わり。
誰かや何かに執着し続ける人生の終わり。
戦い続けてきた人生の終わり。
未練を抱き続けることの終わり。
逃げ続けることをやめて、
しかと対峙するこの瞬間の自分。
エネルギーが反転していきます。
引き潮から満ち潮に。
満ち潮から引き潮に。
大きく、人生が変わっていくのです。
あなたは今、潮目を感じていますか？
何となく、そろそろかも、と感じる方は、
ぜひ会いに来てください（＾＾）
あなたの人生のすべてに、愛と祝福を。