ヒーリングとかカウンセリングとかを受けようと
考えていらっしゃる方が、多かれ少なかれ
ご心配されることに、依存の問題があります。
なかなか難しい問題ではありますが、
私なりに、思うところを書いてみます。
依存してしまいがちな人の傾向として、
いくつかのパターンがあるので、
ご自分に当てはめて考えてみてください。
・自分で決められないので、人に決めてほしいと思う。
・自分ではわからないので、人に○○ですよ、
と教えて(言って)ほしい。(特に曖昧な表現ではなく、
断言してほしいと思う傾向が強い)
・自分では自分の気持ちを受け止められないので、
誰かに埋めてほしい、背負ってほしい、慰めてほしい。
・自分の存在、気持ち、価値、考えなどを承認してほしい。
・安心や高揚感を与えてほしい。
・とにかく何かにすがりたい。一人ではいられない。
などなど。
覚えがある方、いらっしゃいますか?
無意識にこういう欲求をもって行動しているけれど、
自覚のない方も多いですね。
依存しないでヒーリングやカウンセリングを受けるには、
主体をしっかり持って臨むことが大切です。
どんなすごい優秀な人、信頼できると思える人から
アドバイスや言葉を受けたとしても、
必ず自分のハートでいったん受け止めてから、
そのハートの感覚を自分で確かめつつ、
違和感がないか、腑に落ちるかどうかを
吟味して自分に当てはめていくことです。
依存傾向の強い人は、この作業をすっとばして、
相手の言葉を鵜呑みにしがちです。
そういう傾向のある方を見ると、
危うい感じがしてひやひやして仕方がないので、
「今お伝えしたこと、どう感じますか?
腑に落ちるでしょうか?」と
私は聞くようにしています。
そのように問いかけることで、
その人に、自分で感じ、判断するように
意識を向けてほしいからですね。
依存傾向の強い人は、ここをおろそかにしている
ことが非常に多いのです。
そもそも感じる感覚を閉ざしているので
感じられない。だから判断できない。
それ故に、代わりに判断してくれる人に頼る
という悪循環を生んでいるわけです。
そして、その人が感じている生き辛さは、
まさにこの心の構造から来ています。
であるならば、その生き辛さから脱したいのであれば、
感じる感覚を開き取り戻して、自身で判断できる
自分にならなければいけません。
そして、本当にそのように導くヒーラーや
カウンセラーであるならば、
その人が避けているまさにその部分を横着させないで
問い続け、その人自身が自分の責任をとれるように
たとえその本人が苦しんだとしても、
丁寧に導いていくでしょう。
当然、甘いことは言わないでしょうし、
ヒーリングやカウンセリングのプロセスも、
心地いいことばかりではないでしょう。
エゴはキリキリと締めあげられ、
悲鳴を上げるかもしれません。
まぁ、それも締めすぎてプロセスを続けられなくては
元も子もありませんから、その辺はうまく采配
しなければいけないところではありますが、
そのプロセスの進め方や、ヒーラーやカウンセラー
との相性の要因も、結構影響は大きいですね。
苦しくとも、どこまで導き手を信頼できるか、
ということもあるし、メソッド自体が
ものすごく相性が悪い、ということもあります。
信頼関係も、ある時まではすごく信頼できていたのに、
突然信頼関係が崩れることもあります。
そういうこともありながら、毎回、毎瞬、
起こることの責任を自分で引き受けつつ、
自身の内側を探求し、再構築していく道のりを
ヒーラーやカウンセラーに伴走してもらうのです。
とても繊細なプロセスですよね。
私がお引き受けするクライアントさんは、
基本、ご自分で自身の責任を引き受けることを
ご了承いただいた方が対象です。
最終的に良くなっていくには、
そこを目指していくわけで、
誰かや何かのせいにして逃げていたり、
無かったことにしたり、すり替えたりして
抑圧してきたものに対峙し、受容、統合まで
もっていくためのヒーリングです。
自分が悪者になりたくないとか、
自分がそんなに無様な人間だと認めたくないとか、
絶対に避けたかった側面に対峙していきます。
それまでの自分のプライドも、アイデンティティも
ある意味では崩壊させていかないと、
新たな自分には生まれ変われないのです。
一遍にそこまで行くわけではないけれど、
そこを通過できるように段階的に準備し、
越えていくわけですね。
自分が変容していくって、
そういうことなんです。
今の自分のエゴを抱えて、これは変わらないままで
楽になりたいって、それは無理な話です。
その苦しみは、まさにそのエゴから来ている
わけですから。
根本的に良くなっていくどんなメソッドも、
やり方は違えど、そこのところは
共通する部分だろうと思います。
その辺のことを押さえたうえで
ヒーリングやカウンセリングというものを
捉えて頂いたら、
べたべたとした依存関係になることは、
ある程度避けられるんじゃないかと思います。
何をするために、どうなるために
そのセッションを受けようと思うのか。
受けようと思う方は、ご自身の動機をよく吟味して、
自身の主体性という足元をしかと確認して
ヒーラーやカウンセラーの門を叩くことです。
あなたの一歩踏み出す勇気が、
有意義な実りに繋がりますように。