人を見る目を養うことってとても大切だと
思うのですが、本当に難しいことであるな、
といつも思います。
スピリチュアルな世界に限ったことではないのですが、
自分よりも優れているとか権威があるような人
が言うと、もっともらしく聞こえるし、
よくわからなくても、自分が至らないせいで
理解できないのだ、でもあの人はよくわかっている
と思って信じてしまうことって
よくあると思います。
サロンに見えるみなさんにもよく言っているのですが、
どんなに権威のある人、信頼する人が言う言葉でも、
決して鵜呑みにしてはならない。
必ず自分のハートでしっかり感じてから、
取り入れるなり排除するなり判断するように、と。
私自身、この年まで生きてきて、
またスピリチュアルな世界を歩んできて、
様々な人に出会ってそれなりに失敗を繰り返して
学んできたと思っていますが、
それでも、見る目がなかったな～と
己の至らなさに打ちひしがれることは
今でもなくなりはしませんね。
それはとりもなおさず、
自分に隙があるからなのですが、
学びの経験は、自分の最も弱いところを
ピンポイントで突いてきますから、
いつもながらそのドンピシャ加減に感嘆します。
失敗して、こういうところに隙があるんだな、
と学んだつもりで用心していても、
今度はさらに巧妙さを増して、わかりにくくなった
学びの経験がやってきたりします。
泥棒も、見るからに泥棒らしい格好をしては
やって来ないんですよね。
一見してとても親切で、良識があって、
人間的に素晴らしく見えたりするのです。
そういう振りをしているくらいなら
少し話せば容易に分かるものですが、
半分以上、本人も信念をもって自分の生き方を
良いものだと信じていたり、それなりに
裏付けのある行動や経験があったりすると、
その部分を信じてしまいます。
直感などの感覚も、どこかで微妙に鈍くなって
いたりして、判断できなくなっているんですね。
そうして大分信頼するようになって、
大方その人の言うことなら大丈夫だろうと
思っていると、
あるところから微妙な違和感を
感じ始めたりするのです。
それでもそれまでの付き合いの惰性で、
そうした違和感もついつい見過ごしたり、
何か別の思考で言い訳をして
カバーしてしまいます。
そうしてある時にその違和感が一気に
噴き出して、それまでどんなに信頼していても、
積み重ねたものが崩壊していくのです。
あれ？この人こんな人だったんだ、
って、その人の言動の不整合性がその時になって
ようやく分かるんですね。
私自身、何度もこういう学びを繰り返して
いるのですが、何度やっても難しいものだと
しみじみ思います。
普段から気を付けてわかっているつもりなのに、
どこかで例外を作ってしまう自分もいる。
昨日まではとても良い関係性だと思っていたのに、
次の日には以前の関係性が夢だったかのように
全く違ったものになっているのは、
なかなかにキツいことです。
それでも、全くその経験が無駄だったわけではなく、
恩寵と思えるような貴重な学びをたくさん
いただいていたりするのですよね。
それは関係性の変化に影響されることなく、
大切なものであり続けるのですが、
恩寵と深い衝撃が同時にある学びというのは、
後者だけの時より混乱は深いものだな、
と感じます。
それでも、そういう出会いがあったということは、
私がちゃんと恩寵の部分も衝撃も、
消化して受け取れるだけの力があるから、
人生が与えた経験だったのかもしれません。
痛みは痛みとして、でも与えられた宝は
必ず生かす。そうして宿った種は、
やがて芽を吹き、何かしらの実をつけるのでしょう。
だからこそ与えられた宝。
今それが自分の中で生きて胎動しているのが
わかります。
既にそれまでの流れとは随分違ったものに
なっていて、これがどこにつながるのかは
まったく見当もつきませんが、
瞬間瞬間に湧き起こるものを大切に
応答していけたらと思っています。
そしてまた、痛みの方も、きちんと消化
しなければなりません。
単に自分がバカだったと蓋をするのではなく、
相手をけなし批判するのでもなく、
自分のどこが隙になったのか、
よ～く振り返ってみる必要があると思います。
私自身の最近の経験で言えば、
根底にあるのは自分自身を本当に信じられて
いなかった、というところなんだろうと思います。
まだまだ軸が揺らぎ、根が浅いですね。
容易に自分がお留守になってしまう。
どういうときにそうなるのか。
自分が自身から離れてしまう瞬間に
起こっていることに、よ～く意識を凝らして
見て行く必要がありそうです。
日々精進、ですね。