人生の優先順位

自身の人生で、何を優先するかを考えることは、
自分の人生をデザインするうえで
とても大切なことですね。

その時その時の年齢で、優先順位は
刻々と変わっていくことでしょう。

ある時期は遊び優先だったけれど、そのうち仕事が
最優先に。家族ができれば、家族を守ることが、

そうこうしているうちに大きな価値観の転換が
起こって、もっと自分を大切にしようと
いつも後回しだった自分の優先順位を
ぐっと引き上げたり。

こうした人生の優先事項のほかにも、
日常のルーティンワークであったとしても、
どの案件から片づけていくのか、

そこに自身の様々な要素が意識、無意識的に
反映されますね。

それを見ると、今自分は何を軸にして
人生を選択しているのかが見えてきます。

ここを意識化すると、結構面白いのでは
ないかな~と思うのですが、

案外無頓着だと思っていたことに
実は非常にこだわりがあることに気づいたり、

大事だと思っていたことを全然大事に
しておらず、それほど重要でもないことに
莫大なエネルギーを注いでストレスを
抱えていたり。

自分では整合性が取れていると思えた行動も、
実は大きな矛盾を抱えてうまくかみ合っていない
ということがわかったりもするのです。

私自身、あるテストをやったときに、
とっても大事にしていると思っていたものを
真っ先に切り捨てている自分を発見して、
ものすごく意外でした。

私にとってそれは、実はそれほど大切でも
なかったのか、と知ったときは、

私が考えていた「自分」というのは、
実は幻想であり、本当は全く別の存在を
私は生きているらしい、と思ったものです。

いずれにせよ、その状況の中で自分が
「何を一番大事にしたいのか」を選ぶことが
できなければ、当然のことながら、
優先順位をつけることはできません。

けれどもここに落とし穴があって、その基準を
「自分が一番大事にしたいもの」ではなく、
「自分が今一番すべきこと」にすると、
導き出される結果も全く違ったものになる
可能性がありますね。

前者は、自分の気持ちを第一に汲み取ろうと
する在り方で、状況によっては周囲との
ある種の葛藤があるかもしれません。

一方後者は、自分の気持ちを抑えて
そうすべきだ、と社会通念や常識など、
頭で考えた枠組みに自分を嵌め込んでいく
やり方です。

これも、自身の気持ちを押さえつけた分だけ、
内側に葛藤を抱えることになるでしょう。

もちろん、両者が葛藤なく調和するケースも
たくさんあります。

どちらがいいとか悪いとかではなく、
それぞれの選択において、自分が
100%の結果責任を負うことは免れません。

一昔前だったら、後者の選択が社会通念的にも
多かったんじゃないかと思いますが、
今の時代は前者を大事にしようという人が
随分増えているように思います。

時代のエネルギー的にも、
自分の気持ちをねじ伏せて保つような在り方が
表面上にせよ調和を維持できるようには
ならなくなってきたことが大きいでしょう。

私たちの意識の中で、
もう自分を偽るのはごめんだ!
本当の自分を表現して生きていきたい!
という衝動は、抑えがたくなってきています。

日常の些細な選択から、人生の大きな選択まで、
今ここで、自分がどんな基準で選択をしているのか、
今一度振り返ってみるといいかもしれません。

そしてその基準の根っこには、何があるのか、
よ~く掘り下げてみるのです。

その仕事を選ぶのはなぜなのか。
その人をパートナーに選んだのはなぜなのか。
そのコミュニティに属しているのはなぜなのか。
今ここにいるのはなぜなのか。

その基準の根っこに、喜びや活力が満ちているか。
それとも、無力感や恐れ、諦めがあるか。

ここ、すごく大事なところですね。

その選択基準の根っこがもし後者なら、
後々どこかで軌道修正がかかる可能性が大きい
のではないかと思います。

なぜなら、命の在り方として後者はあまり
健全ではないので、本来の在り方に
戻そうとする動きが遅かれ早かれ起こるからです。

つまり、ずっと「生ける屍」で居続けることは
本当はすごく大変なことなのです。

「生ける屍」から復活していくときに、
実は何を人生で最優先にするのか、という部分が
大きなカギになることがあります。

大切なものを最優先にできないのはなぜなのか。
できないと思っているだけで、実は案外簡単に
できてしまうのかもしれませんし、

それをするために、段階を踏んで粘り強く
周囲も自分も整えていかなければいけないケースも
あるかもしれません。

そうしたときに、どこまでその道のりを行く覚悟が
自分にあるのか。

覚悟ができなくて苦しむのか、
自分の心の望みを諦める苦しみを選ぶのか。
あるいは、覚悟をしても諸々の荒波に揉まれる
苦しみを引き受けて行くのか。

人生は、「生ける屍」から私たちを脱却させるために、
しばしば究極の選択をさせるときがあります。

何にせよ、自身の選択に意識的で在りたいものです。

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