長い間、大切にすること、
丁寧に思いを寄せていくことを
怠ってきたな、と気づかされる出会いが
いくつかありました。
そういう出会いを通して、
私の中にその「思いの灯」が
微かに灯った途端に、
まるでそれを待ちわびていたかのように
立て続けに様々なことが起こりました。
それはまるで、折角灯った灯がこのまま
消えてしまわないように、
一気に大きな炎にしてしまえ！
とばかりにいそいそと油を注ぎ、
風を送られているかのようでした。
そして、一連の出来事を貫いているのは
同じ一つの「風」でした。
その「風」を他に何と表現したらいいのか
うまい言葉が見つからないのですが、
それは確実に、私をある方向へと
導いているようです。
さらに言えば、私はこの「風」を
ずっと昔から知っていました。
とても馴染み深い、懐かしい「風」。
今再びこれが私の人生に吹き始めたことを、
魂の深いところではとても喜んでいる
ようです。
「風」もこの時を待ちわびていただろうし、
私もまた、ずっと待っていたのです。
人生はこれより、この「風」によって
運ばれていくことになります。
けれど、今までとは違った力や原理によって
人生が運ばれていくことを、
私がこれまで馴染んできた古い感覚は
やや戸惑い、恐れていたりもします。
恐い、と思ってしまうのですね。
でも、それも良し。
その恐れも受け止めて、
本当に大切にしたいものに
しっかりと心を向けていきます。
本当に欲しいものを望むこと、
そしてそれに手を伸ばすことを
自分に許します。
呼びかけに応えること、
思いが通じ合うこと、
在るべきところで自身の命を
燃焼させる喜びを。
自身の内に封じた火を再び解き放つときが
ようやく訪れたことを
ゆめ、疑うことなきように。
ややもすれば、一過性の高揚感で
終わってしまいそうな危うさも
ないわけではありません。
これまで私は幾たびも、
そんなはずはない。
勘違いしてはいけない。
と呼びかけの「声」をなかったことにし、
引き返してきました。
けれども今度の呼びかけは、
これまでよりもずっと大きな
うねりのパワーを感じます。
今回は最初の風が確実に私の中に火を熾すように、
一気に密度の濃いエネルギーを注入させました。
先の旅で、4日間という短い期間で石切、生駒山、
鞍馬、貴船、比叡山、日向大神宮、東寺を訪れたのは、
そういう理由だったのです。
だから、どこも外してはならなかった。
必ずその日に行かなければならなかったのです。
そうしてやっと熾った火をさらに
大きく加速するために、
東京で、私にゆかりの深い火の神様を訪れました。
そこでいただいた気づきの体験。
何年も苦しんできたことの答えを
一瞬で得てしまった体験でした。
そこから、私はあることを
切望したのですが、
数日も経たぬうちに再び「風」が起こり、
またある方向性が示され、出会いが
ありました。
それはより「風」の源からの
濃厚なエッセンスを含んでいました。
その香りの何と芳醇なこと。
清々しいこと。
美しく、力強いこと。
私は、自分の心がとても移ろいやすいことを
良く知っています。
故に、一瞬一瞬を大切にしたいのです。
自分の正直な、純粋な思いを
歪めることなく汲み上げられるように、
丁寧にやっていこうと思います。
これからも、迷うこと、戸惑うこと、
恐れることがあるでしょう。
それでも、常に自分を正しい方向に
立て直せるように、この懐かしい「風」に
しっかりと自分を浸しておこうと思います。
自分の命に響くもの、細胞の核に
沁み通っていくものは、
自分だけがわかるもの。
ときにそれは、それまでの自分の生き方からすると
実に意外なものだったりするのだけれど、
その響きを辿っていくと、
必ず腑に落ちるものがあります。
丁寧に、感覚を研ぎ澄ませて
自分に何が響くのか、
確かめていきましょう。
それこそが、人生を開くカギになります。
自分を知るカギであり、
自分を生きるためのカギですね。
誰かの助言は、ヒントやきっかけには
なるかもしれません。
でも、それ以上ではないんですね。
自分のカギを意味ある形で使うのは、
他でもない、自分なのですから。
カギが、確かに自分の命を起動させているかどうか、
しっかり確認しましょう。
彼方より吹く風が、私を
約束の地へと運んでくれますように。