意識のポジションを取る

今日は感情解放ワークにおける
意識の使い方について少し書いてみます。

みなさんのワークを拝見しているときに
しばしば感じるのは、

感情のエネルギーを概念的に、
ふんわりぼんやりとしか触れていない
ということです。

私たちはしばしば生々しい感情を
感じることが辛すぎて、

感じるのではなくそれについて考えることで
やり過ごす、ということをしています。

感情についていくら考えても、
それでは本当に感情のエネルギーを
生きたことにはならないので、
いつまでも残ってしまいます。

不快な出来事についてあれこれ
頭で整理して納得させても、
またしばらくすると同じことをぐるぐる
考えている、というのはこの典型です。

なぜ感じないで考えるのかと言えば、
そうした方が、生々しい感情を感じるより
その辛さも幾分、和らいで感じられるから
なんです。

だからこそ、感情解放のワークでは
感情のエネルギーを体感覚をしっかりと
捉えることを重視しているんですね。

そうでないと、曖昧にぼんやりと
感情について思考してしまうので、
結局何の解放にもならないからです。

けれど、そのようにお伝えし誘導してもなお、
体感覚を生々しく感じていない方も
少なくないのです。

いかに私たちは自分の感情を感じることを
避けることが普通になっているか、
ということをしみじみ思います。

ただ、そういう状態でも全く体感覚すら
取れていない状態よりはずっとマシで、
多少なりとも解放の感覚はあるでしょう。

でも、やっぱり心と体と魂がぴったりと
重なった状態での解放よりは断然浅く
なるので、残る感じはあると思います。

どこまでその体験を本当に生きたのか、
非常に重要なポイントですね。

たとえば、過去世のビジョンが見えてきて、
当時の自分がすごく悲しい思いをしている
とします。

その悲しみを、どれだけこの全身の細胞と
心で感じられるか。

悲しいという感情を体験するとき、
私たちは心も耐え難く痛いですが、
同時に体もすごく痛むんですね。

よく、胸が引き裂かれるような悲しみ
という表現がありますが、本当に
引き裂かれるかと感じるくらいに、
骨も筋肉も、血もリンパも痛いのです。

悲しみを受け止める、と私がお伝え
するときは、こうした生々しい感覚の
全てを感じ、受け止めて生きることを
指しています。

ワークをされる方は、どれだけ
こういう感覚を感じてワークして
いるでしょうか?

普通に考えたら、こんな感覚を感じるのは
とても難しいでしょう。

だから、これをリアルに体験した当時は
受け止められなかったんですね。

ワークでは、必ず命の呼吸を絶やさず、
体感覚から離れないでいることを
誘導します。

呼吸が大切なのです。

先日も潜水士の例えでワークにおける
呼吸の役割をお伝えしましたが、

まさにそれは命綱であり、
これがあるからこそ、過酷な状況で
正気を保って作業ができるのです。

感情のエネルギーに近づくにつれ、
まるで水圧が増すように恐怖感が
噴き出してきたり圧迫感を感じたり
するようになります。

このとき、命のエネルギーは恐怖を消化し、
意識を保つ糧になります。

そうして、増していく圧の中で
意識のポジションを整え、目指す
感情のエネルギーに触れ、寄り添うわけです。

この命の呼吸の扱いと意識のポジションの
取り方がうまくいっていないと、
意識が途中で飛んでしまって
ワークが頓挫してしまいます。

みなさんがよく、ワークの途中で意識が
飛んで、うまく感覚が取れなくなったり
ぼんやりしてしまって眠ってしまうなどの
状態になるのは、まさにここができていない
ために起こっていることです。

感情解放ワークでは、意識のポジションを
いかに整えて、感情のエネルギーと
それに向かう自分自身を的確に見続けていくか
ということが問われます。

感情のエネルギーだけ見ていては、
自分の体勢が全然整っていないことに
気づけませんし、

自分だけ見ていても、対象がどこにいるのか、
見当違いのところに突撃していくような
ことにもなりかねません。

意識の作業をするとき、
こうして自分のポジションを捉えて
明確にすることで、過去現在未来の
時空間を自在に移動しても迷子にならずに
いられるのです。

常に中心は
「今ここで自分が体験していること」
です。

だから、それが概念(思考)になってしまうと、
意識のポジションが取れなくなります。

私がワークを誘導中によく、
どんな時も体感覚から離れないように、
とお伝えするのは、そういう意味もあります。

今ここで自分が体験していることを
中心にして、そこから必要な領域に
意識を広げていきます。

どこにどう広げ、どんな情報を取ればいいのかも、
「今この瞬間」から印がやってくるので、

今の自分の状態で無理をしないで
意識の目を開いて注意深く
「今ここ」を感じ、観察するのです。

こうした意識の使い方ができるようになると、
だんだんとより重たい感情に触れ、
寄り添うこともできるようになっていきます。

こうして書きながらも、
ワークをされる方のどれだけがこれを
理解し、汲み取ることができるだろうかという
思いはあるのですが、必要な人に届くよう、
メモとして残しておきます。

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