様々な方のセッションをさせていただいて
思うのは、
私たちの心の中には、実にたくさんの
言えずに飲み込んだ言葉や思い、
中途半端に納得させて収めた気持ち、
ねじ伏せたり切り捨てたりした
処理しようのない感情の数々が
封印されているんだな～ということです。
こうしたものが、人生の色々な部分の
機能不全となって表れてくるのですが、
それらを吐き出し、歪んだ思い込みを
ニュートラルな状態から改めて
選択し直すと、あれほど反応して
苦しかったものが、心安らかに
なっていきます。
面白いのは、あるテーマを統合すると、
それとは全く関係ないように見える
別のテーマにも変化があることです。
私たちの内側はいくつもの切り離された
パーツで出来上がっているのではなく、
切り離せない一つのものなので、
どこかに変化があれば、その変化が
ホログラフィックに全体に現れるから
なんですね。
そのようにして感情解放のワークで
今現在に影響を及ぼしている要素を
完了させていくと、
それまで本音を言えず、いつも人の顔色を
うかがって他者の気に入る自分でいようと
していた人が、
はっきりと自分の意志を表現できるように
なっていったりします。
奥手でうまく自分の意志を伝えられないとか、
逆に我儘と思えるほど自分を主張せずには
いられないなど、一般にはその人の性格だと
思われていたものは、
実は固定されて変えられない本来の性質
などではなく、何かしらの心の重荷を
背負いこんでいたが故の表現だったり
するわけです。
だから、その重荷がなくなってしまえば、
当然表現されるものも変化します。
そしてそれは、より本来のその人らしい、
生き生きとした表現になるのです。
そう言う意味で、性格だから、
と思い込んでアイデンティティの一部
になっているようなところも、
どんどん変わっていけるわけですね。
生きにくさの元になっているような
要素は、大抵というかほぼ、
恐れの反応として表れてきています。
愛や信頼から表現されるものが
生きにくさになることはないですからね。
だからこそ、自分が何を恐れているのかを
明らかにすることは、人生に調和を
もたらすためには大事なステップ
になるでしょう。
多くのこだわりや執着なども、恐れから
来ていますが、それが故に人生を
とても狭く硬直させ、生きづらくさせて
しまうものです。
もしそれがなかったらどうなるだろう？
と自分に問うてみて、恐れや不安に
駆られるようだったら、
それらの奥にある痛みの記憶をケアすると、
それにこだわらなくても大丈夫な心情に
なるので、随分と生きやすくなるでしょう。
またこうして過去の痛みの記憶を統合する
だけではなく、根本的に愛と信頼から
生きることを意識的に選択するというのも
大事かな～と思うのですが、
どれだけワークをしても、
このベースが恐れのままだと
いつまでも根本的な行動原理は
変わらないので、同じような解放を
続けるような気がします。
そしてこの転換は、
自分に向き合い続ける中で
背を向けていたものに向き直り、
抱え込んでいた混乱と恐怖のベールが
薄らいでいった先に、
気づきと明確な決意という形で
やってくるのかもしれません。
多分こうした転換は、一度の強烈な
体験としてやってくるというよりは、
何度もやってきて、そのたびにより深い
決意となり腑に落ちていくのだろうと
思います。
だから、頭だけ、ハートだけでもなく、
肚に、もっと深く、「私」という存在の
中心から湧き出てきて、最終的には
それそのものの表現として在る、
みたいな感じになっていくのかな。
私自身、まだまだですが、最近、無意識に
「これはやっちゃいけないこと」と思い込んで
いたことを
「私はこれをやりたい。これをやる！」
と選択し直したことがありました。
その選択をしたときに、
自分がいかに愛と信頼を選択して
いなかったのかに気づきました。
これまでも、ずっと愛を選択してきたと
思っていたのに、こんなにも愛に
背を向けていた自分に気づくとは、
思ってもみませんでした。
この瞬間、自分が何を選択しているのか、
もっと気づいていかなくてはいけないな、
としみじみ思った次第です。
全ての人の人生に、愛と信頼の恩寵が
満ちますように。