明日の講座の予習として、
または日々のワークのヒントとして、
健全な自尊心を感じられないのは
どんな時か、考えてみましょう。
自分の話を無視され、まるでいない者
のように扱われたり、人間性を否定される
ようなことを言われたりされたりすると、
自分の存在を尊重してもらえないことが
悲しく感じられて、自分を大切に
思えないということもあるでしょう。
また、みんなができることが自分だけ
できなかったり、なんてことがあると、
「やっぱり私ってダメなのかも」って
思ってしまうかもしれませんね。
そうした色々な実体験があって、
「私は大切な存在ではないんだ」という
サインを受け取ってしまい、自身も
自分のことを「どうでもいい存在なのだ」と
信じてしまったのかもしれません。
そういうケースでは、体験の中で味わった
痛みの感情の数々をケアし、体験を統合
していくことで、随分自尊心を回復できる
と思います。
ただ、どれだけそうした体験を癒しても
自尊心をなかなか回復できないケースも
中にはあって、
そういう場合は別の要因が絡んでいる
ことがしばしばあります。
大抵は、魂の奥底に沈めた、とても
痛い記憶だったりするのですが、
ここまで深い根があるものだと、
必ず他のテーマにも少なからぬ影響があって、
色々引っかかってくるものが出ているはずです。
そうなると、そこを引き上げて
根本から取り組んでいくことが必要に
なるのですが、本人にそれをする意思が
あるのかどうか、というところも
問い直さなければいけなかったりもします。
もちろん、浅いレベルのところを対処して
少し楽になったのなら、その状態で
様子を見て、先に進むのなら少しそこで
エネルギーをためる期間にあてるといった
選択肢もアリかなと思います。
タイミングもありますしね。
それはそうと、自尊心と、高慢さや我儘
との区別がつかない方をたまに見かける
のですが、みなさんはいかがですか?
今回の講座でも、わざわざ「健全な」って
追加して入れているのは、そこを明確に
区別したかったからです。
自分を大切にしているつもりが、
ひょっとしてこれって我儘なのかな?
私は傲慢なの?ってわからなくなること、
あるんじゃないでしょうか。
健全な自尊心を持っている方は、
自分を卑下することなく謙虚ですし、
寛容さも持ち合わせています。
なぜかというと、自分が尊重されている
感覚を自然にもてているので、相手の話を
ニュートラルな状態で受け止めて
聴く余裕が心にあるからです。
一方で、自尊心がない人は、
常に自分が侵害され、傷つけられるような
感覚をどこかで持っているので、
他者のちょっとした一言が、
まるで自分の存在を否定したかのように
受け取ってしまうことがあります。
だから、傷つけられないように、と
いつもどこかで構えたところがあり、
ニュートラルに相手の言葉を受け止める
スペースを持てていないんですね。
そうなると、必然的に寛容さはなくなり、
傷つく前に、そういう要素をつぶしてやれ!
というスタンスで人にも接するようになる
ケースもあります。
人の話を聞かないワンマンな人の一部には、
こういうタイプの方がいるかもしれません。
自信家のようでいて、内心はそれとは
正反対なんですね。
寛容であるためには、相手を受け止める
スペースが必要です。
そしてそのためには、相手を受け止めても
自分自身を保っていられるだけの軸があり、
根をしっかりと張っている必要があります。
健全な自尊心は、軸であり根でも
あるんですね。
これまで、繰り返し鏡の法則については
お伝えしてきているので、ではどうやって
この自尊心を育んだらいいのか、何となく
見当がつく方もあるでしょう。
自分がどう人から接してもらったら
自分が大切だと感じられるか、
それを自分に対してやればいいわけです。
私の内なる声にちゃんと聞く耳を持つ。
辛い時に自分を見捨てないでともにいてあげる。
自分の傷つくことを言わない、しない。
自分のための居場所を、心の中に作ってあげる。
などなど。
これはひっくり返してみれば納得できる
と思います。
誰かに私の話を親身になって聞いて
もらえたら嬉しいし、
辛い時こそ一緒にいてくれたら
その人を信頼できるでしょうし、
私のことをひどく責めて傷つくような言葉を
投げかける人はやっぱり嫌だし、
あなたの居場所はここよって、
私のためのスペースを作ってもらえたら、
とても安らかでいられる。
シンプルですね!
無意識に自分を責めている人も多いですが、
それをしているからますます自分が無価値に
思えてしまうんですね。
こういうことができる人は、他の人に対しても
自然にそれができるようになるので、
決して傲慢にはなりません。
本当に自分を大切にできると、
何が大切なことで、何が道を外れたことなのかも
わかるようになります。
深く深く自分自身と対話し、信頼を育み、
分離を解いて根を張るのです。
そうして、太く立派な軸を立てていきましょう。