先日の無料遠隔ヒーリングの働きかけを
しながら、ふと自身の在り方について
思うところがありました。
テーマは「無条件の愛が自身の内から
溢れていることを認める」でしたが、
これに気づくには、意識がバタバタと
外側に動いてちゃダメなんですよね。
インドの覚者、パパジことプンジャジも
身の短い動画の中で簡潔に伝えています。
私たちは毎瞬、何かしようとし、
何者かになろうと動き続けています。
思考中毒になっている現代人の多くは、
一瞬でも思考を止めて静かな意識でいることが
とても難しいのです。
ちなみに、
レナードはボーっとしていることと
プレゼンスでいることは違う、
と指摘しています。
確かに、ボーっとしているときは
意識はどこか「今ここ」ではないどこかに
行ってしまっていますが、
それはプレゼンスではないわけです。
プレゼンスの意識はもっとクリアで、
明晰さがあります。
とにかく、何者にもなろうとせず、
何かをしようとしないという状態に、
私たちはどれくらい、いられるでしょうか。
内なる愛を感じようとしたり、
もっと優れた瞑想者になろうとしたり、
もっと静かであろうとすること自体が、
既に求めていることから遠ざけています。
静寂の意識を求める人にとって、
馴染み深く、実に難解なパラドックスが
ここに生まれるわけです。
私たちは片時も止まっていられません。
立ち止まることは、衰退や後退、敗北と
同義に捉えられてしまい、そしてそれらは
私たちが最も恐れるものでもあるからです。
衰退、後退、敗北する自分にならないために
必死で日々自分を駆り立てていますから、
たとえ止まることで永遠の自由と安らぎに
到達できると頭でわかっていても、
恐ろしすぎてそう簡単にはできないのです。
よく、スポーツ選手が怪我をして休場すると
まだ治りきらないのに無理をして復帰し、
こじらせるというのをよく見かけます。
端から見ると、
「ばかだなぁ。今はしっかり怪我を治す
ことが一番大事なのに、何やってるんだ！」
とか思ってしまいますが、
もし自分がその立場であったら、
そのわかり切ったことを実践できる
でしょうか。
毎瞬湧き上がる葛藤をコントロールして、
他の選手がどんどん活躍していく姿を
横目に見ながら、自身がなすべきことを
粛々とやっていくのは、並大抵の精神力
ではありませんね。
バタバタと忙しく動き回るマインドに
振り回されず、今この瞬間に在るというのは
それに似ています。
レナードは、今この瞬間にいることが
最優先でなければ、目覚めることはできない
と言います。
自分が優秀であること、活躍すること、
愛されること、何かを得ることよりも、
ただ「今この瞬間」にいることを
優先できるでしょうか。
それをするには、今この瞬間に対する
深い信頼のベースがなければ到底できません。
毎瞬が、決意とともに選択なのだと思います。
レナードは、
この瞬間、この瞬間、この瞬間、
毎瞬、「今ここ」にいることを選択するのです
と言っていましたが、
出会った頃よりも、今の私にはこの言葉に
重みを感じるようになりました。
たとえて言うなら、
お釈迦様が悟りを開く前にした４０日間の
断食と瞑想の中で、様々な誘惑による
試練がありましたが、
お釈迦様がその一つ一つをクリアしていった
過程に匹敵するくらい、これって実は凄いこと
なんじゃないかと思うのです。
こんな風に言うと、きっとレナードは
複雑に、難しくしないように、
と言うかもしれませんが、
心弱く、容易くマインドの幻想の中に
飲み込まれてもがいてしまう私には、
そう思えてしまうのです。
人間にとってはこんなに難しいことが、
道端の石ころや草木にとっては
ごく当たり前の在り方です。
彼らは何者にもなろうとしていないし、
何かしようともしていない。
ただあるだけなのに、完璧な美しさを
体現して、そこに在ります。
そして、そのプレゼンスに、
命はよどみなく流れていく。
一方の私たちは、日々何者かになろうと
ジタバタし、何事かを成さんと苦悩する。
そして命の流れから離れていく。
この、常に「前のめりな在り方」から
草木のようなプレゼンスへ。
信頼とともに選択を。
そんなことを考えました。