最近、人と比較してしまって苦しんでいます
という方たちからのメールを立て続けに
頂くことがありました。
確かに、「自分は自分」と思っても、
嫌でも見せつけられてしまって
がっくり来ることってありますよね。
私もまだまだそんな風に
あの人はできるけれど、自分にはできないとか
あの人は持っているけれど、私には無いとか
思って淋しい気持ちになることがあります。
ヒーリングに携わって8年近くになりますが、
どんどん変化していく人もいれば、
じっくりじっくり、真摯に自分に向き合って
地道な変化を重ねていく方もいらっしゃいます。
私自身は、ヒーラーをしていながら、
実はヒーリングが何か劇的な効果をもたらした
という経験はあまりなく、
どちらかというと、
じっくり地道に何かを積み重ねて行って、
いつの間にやら結構な変化をしていた、
というタイプです。
誰しも、速く簡単に劇的な変化を体験したい!
と願うものだと思います。
けれど、多分結構な割合の人が実は
そういう体験はしておらず、
どうして自分はあんな風に一気に変化して
人生が開けていくようなことが起こらないんだろう
と思っているのではないでしょうか。
じっくりペースで何かを積み重ねて行く人も、
あるところまで来たら、
きっとそれまで溜めていたエネルギーを一気に
花開かせていくタイミングがやって来るのかも
しれません。
そう考えると、何かをちょっとやっただけで
パッと変化していく人というのは、
それまでにたくさんの下積みがあった
のでしょうね。
けれど、華やかな劇的変化の瞬間しか見ることの
できない人にとっては、
「一緒に始めたあの人は変わっていったのに、
私はどうして!?」
と思ってしまうのでしょう。
以前、とても活躍されているある方が、
「自分だってとても苦労して今のように
なっているのに、人は表面的に華やかなところ
しか見ないであれこれ言う」
とおっしゃっていました。
確かにその通りですね。
とは言え私も、自身の歩みが
あまりにもゆっくりペース過ぎるので、
華やかな他の人よりも、私に流れる恩寵が
少ないのだろうか?などと一瞬、
思ってしまったことがあります。
すると即座にそれを打ち消すように、
これまでどれほどの恩寵を受けてきたかという
記憶が走馬灯のようによみがえりました。
決して私に流れる恩寵が少ないわけではないし、
見離されているわけでもない、
という確かな感覚があります。
亀よりも遅い歩みの一歩の中に、
どれだけの導きと励まし、そして守護があったか
と思うと、
表面に見えている華やかさとか影響力、パワー
だけではないと、改めて気づかされました。
とても小さく見える一歩に込められた
偉大な祝福に気付けるような目を、
忘れずに持っていたいと思います。
そんなことを思って最近、苦しく感じた
時のことを振り返ってみると、
見ている視点がとても表面的だったことに
思い至りました。
自分が何に意識を向けて見ているのかが、
違っていたのですね。
そこじゃないよ、というお知らせだった
のでしょう。
意識を向けるレベルを変えると、確かに
同じ状況の中に先ほどまでは見えなかった
神聖な愛の光が見えてきます。
世界はこれほどまで愛に満ちているのに、
自分が囚われていると、まるで見えなくなって
しまうのですね。
劇的で強烈な分かり易いものも
それはそれで素敵ですが、
静かな意識に開けていく精妙な世界には、
それ以上に圧倒的な愛の広がりを感じます。
私が気づいているべきはこの世界なのだと、
自身のポジションを再確認させられました。
一時の強烈な体験を追い求めるのではなく、
常に開けているこの世界に意識を
合わせておくこと。
心に留めておきたいと思います。
思えば、師と仰ぐレナードに出会って以来、
必死で意識の目覚めを追い続けてきました。
幸運だったのは、彼の伝えるプレゼンスが
何かとても重要なことなのだと、
肌で感じ、気づけたことでした。
その感覚が無かったら、
これほどの神聖な世界に生涯、
導かれなかったでしょう。
未熟ながらも、師に出会う準備が
できていたということなのでしょう。
最初は、目覚めなんて全く興味もなかったし、
彼の教えの意味するところが何なのかも
良く分かりませんでした。
1秒たりとも、目覚めた意識のプレゼンス
にいられませんでしたし、
彼のおかげで、それまで苦労してやっと
組み立ててきた自分なりのヒーリング手法も
全て解体しなければなりませんでした。
そうして、何年も自身の感情について
向き合うプロセスが始まりました。
それでも、今になれば本当にあのとき
そうして良かったと思います。
そうでなければ、私は今までヒーラーを
続けていられなかったと思うし、
得難いギフトを与えられたと感じるからです。
苦しかったけれど、ギフトを与えられ、
使いこなすにはそれなりのプロセスを
経なければならなかったのでしょう。
今、思うようにならない現実の中で
苦しんでいる方も、
どうぞ自身に与えられたその状況の中で、
根を深く深く伸ばすことに意識を向けて
みてください。
やがて十分に張られた根が、しっかりと
心身の隅々に栄養を行き渡らせ、
大輪の花を咲かせることでしょう。
今この瞬間に満ちている愛に
気付ける目を養いましょう。