先日、周囲に自慢話ばかりする人がいて
うんざりしてしまう、と言う方のワークの
掘り下げをしていきました。
確かに、自慢話と言うのは、している本人は
気持ちは良いでしょうが、聞いている方は
内心は辟易してしまうものですよね。
感情解放のワークでは、相手を「鏡」として
そこに映し出される自身の姿を見出すために
「掘り下げ」をします。
「鏡の法則」は知っていても、どうして
「あれ」が自分なのか、ピンと来なくて、
気づきに至らないと言う方も多いでしょう。
けれど、「鏡」のメッセージに気づくには、
ちょっとした読み方のコツがあるんですね。
たとえばこの「自慢話をする人」ですが、
「もしその人が自慢話をしなかったとしたら、
その人にはどんな気持ちが浮上してくるのか?」
と問うてみます。
きっとソワソワザワザワ、きっと落ち着かない
気持ちが浮上して来ると思います。
皆に「凄い!」と称賛してもらえない、
羨望の眼差しを浴びられない状況で、
その人は自分が「特別な存在」ではなく、
「つまらない存在」に感じるかもしれません。
さらに、ずっとそんな自分で居たとしたら、
閉塞感や無力感、無価値感、絶望などが
湧いてくるでしょうか。
ここまで掘り下げられたら、大体
この辺りがワークで言うところの
「核心の痛み」になります。
つまり、この人はこうした無価値感、
無力感、閉塞感や絶望を感じたくないので、
みんなから「君は無力でも無価値でもない、
素晴らしい存在だ!」と証明して
もらわなければならなかったのです。
賞賛、承認されないと、
途端にこうした痛みが浮上するので、
それがとても耐え難いわけです。
だから、
「凄いでしょ!」「認めてよ」
と承認アピールをせずには
いられないんですね。
そして実はこれが、「鏡」に映る
「あなた自身の中に在る痛み」
とイコールなのです。
相手の中に見る痛みと全く同じ質の痛みが
あなたの中に在る、というこのことを、
ご自身の体感を通して確認してみて下さい。
ぴったりとそれが一致することを
感じると思います。
この痛みが、その人に「自慢話をする」
という行為を引き出していたんですね。
自慢話は、あなたの中にそれがあるよ、
気づきなさい、と言うメッセージ
だったんですね。
自分でこの痛みが受け止められないのに、
それができていないと言って相手を嫌い、
非難するのはナンセンスです。
まずは自分で無価値感や無力感、絶望などを
受け止め、統合して行きましょう。
これができると、相手はあなたに自慢話を
しなくなるかもしれませんし、
そういう人があなたの現実から消えていく
かもしれません。
あるいは、相変わらず自慢話はするけれど、
以前ほど気にならなくなるという
パターンもあります。
いずれにせよ、あなたの現実から苦しみが
消えていくのです。
無力感や無価値感は、多くの方が持っている
わりとポピュラーな感情ですが、
根が深いことも多いので、段階的に取り組んで
いくケースが多いですね。
幼い頃に、親など周囲の人から繰り返し
「お前は何をやってもダメだ」とか
「役に立たない」とか
自分の意見を否定され続けたなどで、
それらの言葉がまるで「呪い」のように
暗示として深く入ってしまっていたりします。
でも、こういう言葉がストンと入ってしまう
と言うのも、実は本人にそれを受け入れる
要因が先にあるからなんですね。
もっと言ってしまえば、しばしばこういう
ケースでは、本人に
「自分が無力で、無価値でなければならない」
理由があったりします。
こんなに苦しんでいるのに、自分で
そうしているって一体どういうことなのか?
と不思議でしょう。
これを究極的に掘り下げていくと、
結局出てくるのは、
「パワフルな自分を恐れている」
というところに大体行きつきますね。
私たちは、本当は自分がとてもパワフル
であることを知っています。
でも、その力でかつて失敗をしたことが
あるから、そうなるのが恐い、という
トラウマがあるんです。
だから、無力感や無価値感を使って
自身の本当の力を封印しているのですね。
この封印を解いていくには、
自身の力を安全に使いこなせる自分
を整えていくことが必要です。
そうでなければ、また力で失敗をして
しまうかもしれない、という恐怖は
拭えません。
となれば、封印を解くわけにはいかない
からです。
なかなかしぶとい無力感や無価値感も、
それが自分の中で果たしている役割が
ある内は、
どんなに嫌でも、おいそれと手放すわけには
いかないんです。
こうした構造的な存在理由が分かっていれば
解放の流れは自ずと見えてきます。
ワークの中で、自身の気持ちに寄り添い、
対話できる在り方を訓練していくことは、
そのまま、「封印を解いても大丈夫な自分」
を整えていることでもあります。
全ての歩みに無駄は無いんですね。
だから、
「今この瞬間に差し出されているもの」を
信頼して受け取っていきましょう。