ヒーリングの世界に入って7年余り。私のヒーリングに対する考え方や手法も随分変化してきたのですが、それは取りも直さず、私自身の在り方の変遷でもあります。
ここまでヒーリングをやってきて、一番気を付けてきたのは、やはりヒーリングを受けて下さる方との関係性でした。よく言われる、依存関係というやつですね。
カウンセリングでもヒーリングでも、その他の業界でもよくあることだと思いますが、商売としてはお客さんを依存させていた方が儲かるのは、多分そうなんだろうと思います。
それが一時的になのか長期にわたるのかはあるのでしょうが、商品を売る側としてはお客さんに来ていただかなくてはならない以上、いかにお客さんにとって「無くてはならない存在になるか」は、とても大切な、永遠のテーマです。
で、ヒーリングの世界でも例にもれず、また内面的な部分を扱う業種だけに、余計にずぶずぶな関係になってしまうという話は、嫌でも耳に入ってきます。
私自身も、そうした醜い依存関係だけは構築するまい、と思ってこれまでやってきましたが、どうにも未熟さから学ばされた出来事はあったと思います。
まさに、頭で分かっていてもそれを実践するのはまた別次元の話で、トライアンドエラーを繰り返しながら、実地で訓練してきたところがあります。
自分に隙があると、どんなに気を付けていてもそこをピンポイントで突かれてひきずられてしまうところがあるんですね。その「隙」に、自分がどれだけ事前に気づいて対処できているか、また、突かれたときにいかにその弱さを否定せずに直面できるかがカギになります。
これだけ気を付けて、対処してきてもまだ自分にこんなところがあったのか、とげんなりすることもままありました。
けれど、そういうところを突いてくる方というのは、私に貴重な体験をさせてくれた、メッセンジャーでもあったのです。確かに気持ちは良くないものですが、その体験には感謝しかありません。
相手の方の奥深いところに触れることを生業とする者は、決して相手を「自分が癒すのだ、私が良くして見せる」と思ってはいけないと私は思っています。
それは大きな勘違いです。
癒しや変容は、「私」が起こしているのではなく、その方自身の内側からやってきます。このことが本当に分かっていないと、「私」は、相手の方が持って来る「問題」というストーリーの中で一緒に溺れて行ってしまうだろうと思ます。
セッションなどでも、私は様々な問いかけを通してテーマの核心に導き、癒しと変容が起こっていきますが、私はその道筋がどうなっているのか、誘導している最中も実は知りません。
ただ、瞬間瞬間が差し出しているものを受け取って、それに応答しているだけなので、「これとあれがつながっていたんだ~!」とか、「これが核心だったんだ!」とか言うのも、掘り当ててみて初めて知るわけです。
私は考え、何かを意図して進めているわけではないので、だからこそ「癒しはその人自身の内からやってくる」と思うのです。
癒しのプロセスを導いていくものは、ただこの場に流れる恩寵のみです。だからこそ、私は自分がその恩寵の流れの純粋な一部となるように、セッションやワークショップ、瞑想会などの前には必ず心を静めて祈ります。
そしてまた、それが私の人生の分離した一分ではなく、分離のないひとつづきの在り方であるよう、意識しています。私にとっては日課のジャパや瞑想、セルフワークも、その延長線上にあるんですね。
借りてきたもの、取って付けたものは気を抜けばポロリと落ちてしまうものです。そうではなく、本当にそれが血肉として生きた自身の細胞になっているのかどうか。
自分は気づかなくても、傍から見れば隠しようもありません。
無様な自分に失望し、ショックを受けながらも直面し続ける勇気だけは、持ち続けていきたいと思います。
そして、出会った方が本当に自身の本質に帰っていけるよう、私にできることがあるのなら、させていただくのがサロンの存在意義かな、と考えています。
そんな風に改めて考えていたら、これからどんなプログラムを提供していくか、という妄想もムクムク膨らみ、やっていきたいことがたくさん出てきました。
どうしたら、受けて下さる方が自身の本質に帰っていくのか。そんなテーマの講座をこれからも企画していきたいと思います。もちろん、感情解放ワークショップもその軸となるものですが、今後もどうぞお楽しみに!