先週の無料遠隔ヒーリングのテーマは「家族」でしたが、みなさん、なかなか大変だったようですね。
ご感想を拝見しながら気になったのは、ワークで意識を相手の中に移動させて、相手の視点から自分に対する思いや感情を見てみるという意識の移動をされるとき、ちゃんと相手の感情を捉えられているかな?というところです。
まず、意識の移動をする前に、自分の中で湧き上がっている感情をある程度受け止めておくことが前提で、意識を移動するのはその後です。
そして、相手から自分を見たときに、相手の思い(思考)と感情をしっかり識別しましょう。
感情と思考の区別は、自分一人だとなかなか気づけないところではありますが、思考だけに気づいても、感情をしっかり感じられていなければ解放は進みません。その感情を身体で受け止めるというポイントも、必ず押さえておきましょう。
思考しているときは、大抵体感覚から離れています。マインドの中で「お前はいつもそうだ。だからもっとこうすべきなのだ」とか思っていて、ジャッジメントや言い訳などがグルグル巡っていたりします。明らかにこれは感情ではないですよね。
感情は、「そういうお前を見ているとイライラする。悲しくなってくる。不安で気が狂いそうになる」などの部分です。そのイライラや悲しみ、不安などを身体で受け止めるということです。
イライラする体感覚というのは、身体のどのあたりでどんな風に感じているでしょうか。胸の辺りがムカムカしているのか、頭に血が上っている感じなのか、はらわたが煮えくり返っている感じなのか。
日本語って、感情の体感覚表現がたくさんありますね。昔の人は、感情をちゃんと身体で感じていた証拠です。翻って、現代社会を生きる私たちは、どれだけ感情を概念化しないで身体で生きているでしょうか。
相手の意識の中で、こうした体感覚をしっかり受け止められると、見えている景色が変わり、もう問題となった態度を取らなくなっているでしょう。
相手は、自分の中で浮上する感情のエネルギーを持て余して、そうした態度をすることで感情的な痛みをあなたに押し付けていたのです。だから、その痛みの感情の責任を自分で取れば、もうその必要はなくなります。
相手の意識の中で受け止めたその痛みの感情は、ご存知のようにあなた自身のものです。相手を鏡として投影してみていただけなのです。そのため、相手の中で感情を受け止めると、あなた自身が楽になるのですね。
意識の移動をしない場合でも、感情と思考を識別できることは、ワークではとても重要なポイントです。思考を感情だと思い込んだままいくら感じているつもりになっても、思考している内は考えているのであり、感じているわけではないので感情のエネルギーが解放されることはありません。
みなさんのご感想を拝見していて、ワークが詰まっている原因の多くは、感じているつもりで実は考えているケースが多いのではないかな、と思います。
じ~っと感じているとき、そこに思考はありません。心乱される相手を思考せずに湧き上がる感情のエネルギーを感じながら見つめ続けるとき、不思議な気づきがやってきます。
途中であれこれ考え出してしまうとこの気づきはかき消されてしまうのですが、ひたすら感じ続けていると、自他の壁が消えて、相手の中に見ていた受け入れ難い要素が、まさに自分のものであったというまぎれもない確信がやってくるのです。
その気づきがバチッと起こると、それまで嵐のように吹き荒れていた感情は一瞬で消え去ります。
ただ、それがバチッとはまらないケースもあって、それは一瞬気づいたけれどすぐに思考してしまい、気付きによってその後に起こっていくはずの変容を止めてしまっているケースです。
相手の中に見ていた醜さが自分のものだと気づいた瞬間に、それを否定する、というような場合です。
あれは私じゃない、そんなものが私の中に在ってはならない、と拒絶した瞬間に、癒しも解放も遠ざかっていくのです。
ワークで掘り下げをしていて、「いくらなんでも私はあんなことをしないし、あれほどひどくはないです!」という方があるのですが、そういう見方をしている内は、ずっと苦しみを抱えたままでしょう。
その相手も出来事も、まさにあなたが否定している側面に気づかせようとやって来ているわけですから。
イメージの中で相手に、飲み込んだ言葉を吐き出していくワークも、言いっ放しにしないで言葉を吐き出した後に相手がどんな表情をしてどんな反応をしているのかをしっかり確認しましょう。そして、それを見て自分がどんな気持ちになったのか、それも受け止めます。
多分、吐き出して終わりにしている人がほとんどなのではないでしょうか。ワークは、そこからがスタートと言ってもいいくらいです。
そこから先ができるようになると、解放はものすごく深くなっていきます。しっかりポイントを押さえていきましょうね。