最近、ひょんなことから「子孫へのラブレター」というものを知り、体験者の声から「これは結構すごいかもしれない」と興味を惹かれ、自分もやってみようと思いました。
この「子孫へのラブレター」というのは、「魂の放火魔」と自称される井上祐宏氏が提唱するもので、明日、もし目が覚めなかったとしたら、大切な人に何を伝えたいだろう?という前提にビデオレターを撮影するというものです。
やり方は「子孫へのラブレター協会」のサイトにも詳しく乗っていますし、体験者の公開動画もあるので興味のある方はご覧になって見てください。井上氏の著作もあります。
ちょっと恥ずかしいけれど、その効果の余りの大きさに背中を押されて早速私もやってみました。
私には子供はいないので、相手を子孫ではなく母としてみました。
「あなたがこれを見ているということは、私はもうこの世にはいないということですね」というセリフを言うことで、始める前は何を言おうかと思っていましたが、その瞬間からスイッチが一気に入って、最初から涙があふれてきました。
感謝する思いと、あなたの娘として生きることはとても辛かった、という言葉を最初に言えたことで、思いが堰を切ったようにどんどんと湧き出てきました。
このラブレターを決行する前にも、母に対しては大きな解放があったので、こんなにも溢れる思いが出てくるとは想像もしていなかったのですが、時間にして10分少々の撮影が終わった後には、かなりすっきりした感じがありました。
「あなたが抱えている個人的問題が面白いように次々と解決していく――あの世に行くのが楽しみになる本」の中では、対象は故人でもペットでも職場やお金等の物でも何にでもできるということだったので、続けて師やお金さんに対してもやってみました。
こちらは母の時ほどのすっきり感は無かったのですが、心の奥深くに溜まっていた言葉が吐き出されたことで、多少なにかは違うような気がしました。
これは何度でもやっていいそうなので、またタイミングを見てやってみようと思います。
そう言えば、以前習ったヒプノセラピーの先生は、これと同じことをリアルに体験されて、劇的なシフトがあったという体験を話していたことを思い出しました。
先生は、ヒプノを始められるずっと以前に末期の癌を宣告されたことがあり、セカンドオピニオンも受けたものの、その結果は変わらなかったそうです。
体調もどんどん悪くなる中で、明日には入院という日の夜、娘さんに入浴の介助をしてもらいながら、もう死ぬかもしれないという覚悟から、娘さんと息子さんを呼んで、最後に本当に伝えたい言葉を涙ながらに伝えられました。
そうして翌日、病院に行って検査をすると、二つあった末期癌は跡形もなく消え去っていて、担当医師も驚いておられたということでした。
人生の最期を目前にしたとき、私たちは本当に大切なものがはっきりと見えるのでしょう。そして、本当に大切なもの、やりたかったことをしたときに、私たちは本当の命を生きるのだと思います。それが、信じられないような変容とシフトを起こすのでしょう。
そうであるならば、何も本当の人生の最期までそれを持ち越すことはありません。
今の時代、死というものは忌み嫌われ、できるだけ目につかないように遠く追いやられ、普段は全くと言っていいほどそれを意識することは無くなっています。
けれど、多くの方が指摘するように、死を意識しない生き方は、どこか不完全で、逆に非現実的な感覚で人生を生きているのかもしれません。
今日できなくても、また明日があるから。今月中にはやろう。3年以内にやれたらいいな。そのうち、いつか。
そんな風にして、本当に大切なことを先延ばしにしていることの何と多いことか。
仕事が忙しいからと言って、家族との時間をおろそかにしているうちに、いつもそばにいて当たり前だった子供は大きくなって家を出て、なかなかゆっくり話す機会もないとか、元気だった親も身体が弱くなって旅行にも連れて行ってあげられなくなっていたとか、色々ありそうですよね。
当たり前のように在ると思っている今の状態は、決して当たり前でなかったのだと、失ってから気づくとよく言いますが、目の前にあるときにその当たり前の奇蹟を認識できていたら、どんなにか日々が感謝に満ちるでしょうか。
死に向き合うというのは、とても意義あることなのだと、実践してみて良く分かりました。
感情解放のワークでも、飲み込んだ言葉を吐き出していくということをしますが、この「子孫へのラブレター」は、メッセージを撮影するという行為と、今日が人生の最期だという意識から、さらに深いレベルでの解放が起こるような気がします。
やり方も簡単ですし、スマホがあればすぐに実行できますので、興味のある方はぜひ勇気を出してチャレンジしてみてください。
大嫌いだったあの人や苦手だったお金や仕事に対して、とても深い気づきがやって来ると思います。