感情解放のワークをしていて、しばしば困難な局面にぶつかることが多いのが、混乱とパニックのテーマです。普段の生活でそれなりにこなして過ごせているとあまり気づかないものですが、何かの拍子に一気に吹き出てくると、自分でも驚くほど取り乱したりするのです。
私自身にも混乱とパニックがまだ心の奥底にたくさんあることを感じているのですが、普段何ごともなく過ごしているときは、自分にそんなものがあるなんてことはこれっぽっちも自覚はありません。
ただ、何か突発的な出来事が起こったりすると、意識が吹っ飛ぶほど頭が真っ白になって取り乱してしまう自分にショックを受けたりします。
以前、ある仕事でちょっとしたミスをしたときに、頭が真っ白になってしまって落ち着こうにも全く冷静な思考ができなくなってしまったときがありました。その時脳裏によぎったのは、指導役の上司に怒られる!ということでした。
怒られるのは誰でも嫌なものでしょうが、その怯え方が尋常でなかったので、自分でも「あれ?これは何かあるな」と思ったわけです。
怒られる以外にも、誰かとのやり取りの中でちょっと嫌な感じになった時、場合によっては身体が凍り付くような感じになるときもあります。
ここしばらくの揺さぶりの中で様々な感情が浮上してきたのですが、ここらでしっかり整理しておこうとワークに取り組んだところ、混乱とパニックから、グルとの関係性の中で体験した深い悲しみの感情が出てきました。
私と同じように、混乱やパニックのエネルギーを持て余している方の参考になればと思い、解放のヒントを書いておきます。
5月は本当に色々あって、まだ未消化な感情が胸の内でわだかまっていて苦しかったので、じっとその胸の重苦しさに意識を向け、その声を聞いてみることにしました。
すると、ものすごく努力したのに何にも形にならない、実にならないという深い悲しみが涙と嗚咽とともに浮上してきました。みんなはちゃんとできているのに、私だけできない。先生はロクに対応してくれずに私は放置されている。私は一人、困惑し、途方に暮れ、固まって身動きが取れなくなっているというビジョンが見えました。
このビジョン、最近やっていた習い事やレナードの教えでも表れていた全く同じ構図のテーマでした。
余りに深い悲しみで、ハートがえぐれるような痛みを感じていましたが、たくさん涙を流しながらその感覚も、命を呼吸しながら在るがままに感じて行きました。同時に、自分が何をどう感じているかも言葉にして吐き出してみました。
どんなに努力しても、私にはできない。
師は私を助けてはくれない。
私は独りぼっちだ。
ただただ悲しい。
まったくわからない。
普通はこういうことを認めてしまったら、ますます辛くなってしまうと信じているので、多くの人は決して認めまい、感じまいと頑張ります。けれど、本当は「自分はこう感じている」ということを在るがままに認め、告白した方がすっと心が軽くなるのです。
ただ、これを吐き出すことでストーリーに深く入っていくのではなく、体感覚から絶対に離れずにいて、命を呼吸し続けることは注意してください。
しばらく続けて、悲しみが少し落ち着いてくると、ビジョンの中でうずくまっていた自分が顔を上げ、上半身を起こしている様子が見えました。
さらに、この自分の気持ちをじっと感じて行くと、「訳が分からない」という混乱とパニックの気持ちが出てきました。身体でそのエネルギーを捉えると、脳幹の辺りを中心に頭の中心を通って第7チャクラに抜けるラインがしびれて真っ白になるような感じがあり、みぞおちから第2チャクラにかけてに緊張感がありました。
これもじっと呼吸を送りながら感じて行くと、どんどん変化しながら抜けていくものがありました。
「わからない」という感覚はとても微妙で、ともすれば思考で何とか理解して収めようとする行動に流れがちですが、そうなると感情や感覚を受け止めるのとは別のことになってしまうので、ここはその感覚をしっかりとらえ、これを受け止めることを意識します。
頭がボワンとなって思考停止状態になっていたり、しびれた感じがあるなどもそのままとらえ、呼吸していくわけです。怒りを怒りとして受け止めていくように、混乱も混乱としてそのまま感じてあげればいいわけですね。
感じながら、子供の頃によく感じていた戸惑いと緊張の感覚を思い出しました。私は子供の頃、とても不安感の強いたちで、いつも不安で緊張しながら毎日を送っていました。
学校でもできない、わからないことが多く、毎日がとても苦痛で世界は冷たく自分を拒絶しているように感じていました。私はその恐ろしさに、とてもこの世界で無事に生きていけるようには感じられませんでした。
長いこと忘れていたそんな恐怖感も、やっと意識に浮上させることができたのです。
子供の頃はそうした不安感、恐怖感を受け止め切れず、よく腹痛や便秘を起こしていましたが、今はこうして受け止めてあげることができます。
まだ完全にすべて解放できたわけではないのですが、最初の場面に戻っても、随分感じ方が変わってきました。焦らず、ぼちぼち取り組んでいくことにします。
混乱のエネルギーが出てくると、つい巻き込まれて一緒に混乱してしまいがちですが、これも他の感情と同じようにそのエネルギーを捉え、受け止めていくことで弛んでいきます。みなさんの取り組みの参考になれば幸いです。