命の喜びを知った男性の過去世

先日、ヨガのクラスで足首回しをやった時、左ひざに違和感を感じました。左ひざは昔、ひどく打ったことがあって、以来あまりよくないのですが、このときは膝から下にこれまでにないほど力が入らなくて、妙な感じでした。

ガネーシャ・ギリ先生のヨガのクラスでは、この足首回しはとても重要なエクササイズとされていて、「ただの足首回し」ではないのですね。軸を取りながら繊細に意識を使ってこれを行います。

普段あまり自分では足首回しはやらないのですが、クラスで最大限に意識を使って足首を回すと、全身のエネルギーがうねるように連動して動いていくのが分かります。

毎回やっているはずなのに先日感じた違和感はとても大きく、左ひざから下、また太ももから腰に掛けてエネルギー的な不協和音を生んでいました。

それでも普通に歩くことはできるので、日常的に支障は全くないのですが、この日以来座っていても違和感を感じるようになったので、何かのサインかな、と思いワークをしてみることにしました。

じ~っと感じて行くと、左ひざから下を失った男性だった人生が重なって浮かび上がってきました。戦争か何かでそうなったようです。

なるほど、この男性からのメッセージだったのだな、と思いつつ、そう言えば過去世で負傷した部分に、今世でも怪我などをするケースを他の方でも見たことを思い出しました。

ずっとあった種だけれど、今になって浮上してきているというのも、タイミングなのかもしれません。

この男性に意識を合わせていくと、帽子をかぶり、パイプをくゆらせて杖を突いた小柄な姿が見えてきました。身体を感じて行くと、今私が感じているように、常に左ひざから下がないにもかかわらず、しびれたような疼く感覚があったようです。いつも左をかばっているので骨格が歪み、腰痛や肩凝りを感じています。

男性には夢があったようですが、それもあきらめざるを得なかったと、やりきれない思いを抱えていました。男性は怪我をする前、スポーツが大好きでした。仲間と一緒に駆け回り、全身で生きる喜びを表現しているようでさえありました。

今はそれもできず、思うようにならない身体が重く、辛く感じられ、自分が哀れで、惨めで、悲しく、どれほど口惜しがっても変わらない現実に、腐るしかありませんでした。

パブで自暴自棄になって酒におぼれ、酔いつぶれる姿が見えましたが、かつてみんなに慕われ、明るく快活だった青年を知る昔の仲間は、そんな男性を見て悲しげでした。

男性を感じていてふと、以前勤めていた会社に居たある男性を思い出しました。私はその男性のだらしなくて不潔で偏屈、意固地で平気で人を傷つける言動が大嫌いだったのですが、今見ているこの男性の心情ととその人の心情がピッタリと重なりました。

その人について、昔から知る社員の女性は「本当に純粋でいい人なのよね」と言っていたのですが、私が見ていたのは腐りに腐って人生を諦めたような状態のその人だったので、「噓でしょ。ありえない」と思ったものでした。

でも、ビジョンの中に見る足を失った男性を見ると、きっとそうだったのかもな、と思えました。そして、「そうか、あの人も私自身だったのだな」と改めて分かりました。

どちらの男性も、自身の現実を受け入れられていませんでした。このため、そのことによって起こった自身の感情を受け止められず、もがき苦しんで自分や他者を傷つけることしかできなかったのです。

ワークでは、まず自身の現実にしかと直面し、受け止めるとことから始めます。思うようにならない辛さを体感覚で捉え、しこりのように固くなった部分にエネルギーを送っていきます。すると、その部分がふわっと軽くなり、エネルギーが流れていきました。

男性には、以前付き合っていた女性がいたようです。彼女は男性が足を失った当初、献身的に彼を支えましたが、男性があまりに心を閉ざし、荒れてしまったので去ってしまっていたようです。最初に見えたビジョンでは、男性は独りぼっちでした。

けれど、エネルギーが流れ癒しが進んでいくにつれ、このストーリーが変化していきました。彼女は去っておらず、男性は義足を付けて彼女に支えられながら歩く練習をしています。そしてぎこちなくはあるけれど、少しずつ歩けるようになっていくのを、男性は彼女とともに喜んでいました。

彼女は女性らしい優しい視点で、野の小さな花の美しさや虫、小鳥たちの命に彼の意識を導き、足を失ってもなお世界の美はここにあり、自分たちを含めて、命は今ここに溢れていることを見せました。

今、彼の中には感謝の思いが満ち、魂の深いところが震えています。彼の頬を、涙が伝っていました。

彼は今、彼女とともにとても幸せそうです。2人は結婚したようで、仲良く素敵な老夫婦になっています。彼の心は足を失う前よりも深く繊細に、命の喜びを感じているようでした。

彼の臨終はとても穏やかで、妻と親しい友人たちに見守られながら、「ありがとう」と言って去っていきました。

左ひざの違和感から、何とも素敵なストーリーが出てきました。今、違和感は大分軽くなっています。まだ完全にクリアにはなっていないので、何か受け取るべきものが残っているということなのでしょうが、ぼちぼちやっていくことにします。

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