私自身を含め、多くの方の心の奥深くに向き合ってきて思うのは、無力感や無価値感、絶望や恐怖、孤独感などの受け止め難い感情は、ほとんどの人が多かれ少なかれ持っているものだということです。
傍から見てどんなに自信に満ち溢れ、劣等感とは無縁に思えるような人であっても、自分でも気づかないところにそうしたものを隠していることはよくあります。
求めても求めても決して得ることのできなかった何かに対する耐え難い渇きをどうにかして満たそうと、ワーカホリックなまでに仕事に打ち込んだり、恋愛や食べること、セックスやドラッグ、ギャンブルなどに溺れていく人もあります。
それらはいわゆる代償行為なのですが、社会的にも認められないような類のものであれば、周囲から批判されたり、カウンセリングなどを勧められたりするのでしょうが、仕事など社会的な成果を伴えば、それはそれで自信になったりするので、代償行為だと気づかないままに駆り立てられていくことがあります。
けれど、そうした行為の動機が痛みから出発していれば、その行為の結果にも同じ痛みの果実がなります。いかに仕事で評価されるなどしても、根本的にその痛み自体には対処しているわけではないので、どれだけ成果を挙げても虚しかったり何か違うと感じたりして、満たされることは無いでしょう。
自信というのも、何か物や地位、容姿などといった外的なものに依存した自信は、それらがなくなれば容易く崩れ去ります。本当の自信は、自分自身を無条件に受け入れることからやって来るものです。
これができれば、自分で自身を満たすことができ、その在り方を映した現実は、あなたにとってとても優しく、愛に溢れたものになります。それこそがあなたが狂おしいまでに求めていたものだったのではないでしょうか。
多くの人が、鏡に映る像を変えようと必死で外側に働きかけています。けれど、鏡の像は虚像であり、本体ではありません。働きかけるべきは自身の内面であり、そこにこそ現実を変えていく力があるのだということを知らずにいるのです。
駆り立てられる行為の元になっている痛みの感情を、しっかり受け止め、責任を取れないと、一つの代償行為を止めたとしてもまた別の代償行為に移行しただけになってりまったりすることもあります。
たとえば、これまで心の痛みをお酒とたばこで紛らわせていた人がいたとします。この人が健康に悪いからと言ってそれらをどうにかしてやめたとすると、それまで紛れていた心の痛みが浮上してきて、イライラしたり不安になったり、落ち着きがなくなって非常に居心地の悪い思いをすることがあります。
それらはただのアルコールやニコチンの肉体的な禁断症状というばかりではないものを含んでいます。
本当に依存を断ち切りたいのであれば、行為だけを止めるのではなくて、痛みを何かで麻痺させて紛らわせるという在り方から、痛みそのものに自分で責任を取れる在り方を作り上げていかなくてはなりません。
その苦しみを誰のせいにもせず、無いことにしないで少しずつ受け止め、自分の中に統合していくのです。
私たちの中には、自分を癒していく力があります。ただそれを自身が使うと決めるかどうか。本当に決められたら、そのときから人生は大きく変わっていくでしょう。
小さなことから大きなテーマまで、日々色々なものが人生から差し出されてくるでしょうが、今の自分にできる最善を尽くしていきましょう。
そのように言うと、頭で思い描いた「こうあるべき像」に近づけていく努力だと思われる方も多いかもしれませんが、恐らくその歩みは、理想とは程遠い「現実の自分」をひたすら認め、受け止めていく歩みと言った方がいいかもしれません。
思うように行かない人生の中で、どれだけ今この瞬間の在るがままの自分を否定・拒絶しないでいられるでしょうか。理想に向けて努力するよりも、実はこちらの方がずっと難しいような気が私はします。
覚者はしばしば「静まりなさい。今ここに居るのだ」と言いますが、否定・拒絶がある限り、これは至難の業です。
否定・拒絶の奥には必ず痛みの感情があるのであり、ここをいかに捉え、受け止めるかがカギになってきます。ここにしっかりと、責任を持った方法で応答していきましょう。
というわけで、今週のテーマはこちら。
自身への否定・拒絶の奥にある痛みの感情に気づき、受け止めるよう最高最善に働きかける
参加される方は、「無料遠隔ヒーリングの受け方」ご覧になり、 ご理解のうえ3月8日(水)17:00までにメールまたはメールフォームにてお申し込み下さい。 同日20:00より順次働きかけを行っていきます。