神への不信と絶望の構造

自分のワークをしていて、以前からどうしても超えられない壁があるな~と感じていたのですが、先日これにがっつり向き合って見たところ、色々と面白いものが見えて来たので私自身の覚書きもかねて、これについて書いてみます。

私は毎朝1時間ほどかけて、サロンにお祭りしているインドの神様たちにジャパ(マントラを繰り返し唱える修法)をしています。以前にも書きましたが、だからと言って私はインドの神々を信仰しているという意識はほとんどなく、自身を整える作業という程度の意識です。

元々は現世利益を求めてお祭りし始めたわけですが、ジャパしながら、私は本当のところ、心の底では神々が自分を幸せにしてくれるとは全く思っていない、どうしてもそうは思えないということに気づいてしまいました。

神々の力を信じていないわけではないのですが、その力が私を幸せにすることは無いだろうと思っているのです。以前から持っていた「神への不信」がまだ根深く在るのですね。

深い恩寵の中で心震わせ、涙することもあるのに、どうしても信用できずにいるのです。相反するものが一人の人間の心の中に同居することは世の常であり、珍しいことではありません。どちらも、私の真実なのです。

こんな思いを持っているせいか、これまで何度かインドでプージャー(日本でいう加持祈祷のような儀式)をしてもらったことがあるのですが、エネルギーが来ているのは確かに分かるものの、その効果を実感したことは一度もありません。効いているけれど気づかないだけ、とも言われますが、これが率直な実感です。

また、以前から持っている傾向として、当然与えられるべき権利(と思っているもの)が与えられなかったとき、私は自分でもびっくりするほど「もう結構です!」と、バシッと切り離すという反応をすることがあります。

穏やかに権利を主張するとか交渉するとかいう余地が全くなく、心が凍り付いて固くなるのが分かります。

この傾向が深く自分の本当の望みにフタをしてしまって、そこに触れていくのを困難にしていました。

自分の中には諦めているものがあるということは以前から気づいていました。それについて取り組もうとすると、「もうそれは自分には関係のないことだ。私の人生にそれは与えられていないし、今世のプログラムにも入っていない。それが無くても別に支障はない。この件は終わり!」と強制終了モードに入ってしまうのです。

そんな風に繰り返し自分に言い聞かせてきたので、いつしか「それもそうだな。それを求めるのは時間の無駄だ」と思うようになっていました。そのくせ、それがトリガーされるような出来事に触れると、激しく反応している自分がいました。

それが、先日ジャパをしているときに、神に対して未だ強烈な不信感を抱いている自分に気づいたとき、本当の望みが叶えられなかったら、この神への不信は決して解けることは無いだろうということが分かったのです。

神への不信は、自分自身への不信でもあり、このことがひいては自身のあらゆる可能性にフタをすることにつながっていました。どうでも良いことではなかったのです。

こうしてやっとそのテーマに取り組む必要性をはっきりと認識できたというわけです。

そこで神を信頼することを思ってみると、激しい拒絶の奥に「どうせ神は私の望みを叶えてはくれない」という思いとともに、「あんなに深く信じ、尽くしてきた私をここまで冷酷に裏切るのか」というショック、悲しみで凍り付いた気持ちが出てきました。

その気持ちを身体で受け止め、命の呼吸をしていたのですが、あまり変化が無かったので、気持のエネルギーの中に意識を移動させてそれに向き合おうとしている「自分」を見てみました。

すると、「自分」は気持ちのカケラの苦しみを確かに感じているのに、それを救おうとはしていませんでした。カケラが苦しむ姿を真っ直ぐに冷徹に見つめつつ、表情一つ変えずに首を絞めているような感じでした。

なぜそんな風になっているのか、カケラの視点から「自分」の心情を見ていくと、「目的の達成」のためには自分の苦しみなど一切構わずに殺すのだと見えました。そしてその奥には、計り知れない絶望がありました。

以前から自分の中に絶望があることは知っていましたが、ここまで深い絶望だったとは想像だにしませんでした。そしてまた、自分を殺す傾向は、確かに様々なところで顔を出しているな、その根はここにあったのか、ということが分かりました。

この絶望があるから、他のどんな苦しい感情の中でも平気で入っていられるという部分があったのかもしれません。

この人生で出会った人の中で、「この人はここまで人の苦しみを知りながら、平然とこんなひどいことをしてのけるのか」と思った人が数人いました。分かりやすい悪意以上に、恐ろしい程の残酷さだとその時は思ったのですが、あれはまさに自分だったのだな、とやっとわかりました。

今まで触れることのできなかったレベルの絶望にようやくたどり着いたばかりですが、触れられただけでも心身ともに色々な変化を感じています。

今しばらく、この絶望に向き合っていくことにします。

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