先日セッションを受けた方から、「深く傷ついた経験があると、傷つくこと自体にとても恐れを感じるものなのでしょうか?」というご質問を受けました。
結論から言うと、その通りです。一度嫌なことを体験すると、それがトラウマになって似たような「ちょっとしたこと」でもひどく反応してしまうようになるという経験を、誰しも一つや二つ、持っているのではないでしょうか。
これをたとえて言うならば、身体の皮膚に、ひどい傷を負ったとします。傷はじくじく痛んで膿んでしまっている状態です。そんな傷のある場所に、ちょっとでも何かが触れれば飛び上るくらいに痛いでしょう。けれど、もし健康な皮膚であったなら、多少何か物が当たったとしても、それほど反応することはありません。
こんな風に、目に見える皮膚などであればすぐに状態が分かるので、手当てをしなければ!と思えるのですが、いかんせん心のことは見えないので、どんなに傷ついてそれが酷い状態になっていたとしても、自分ではそれがどれほどのものなのか、気づけなかったり、重大性を認識できずに対処が遅れてしまうことがよくあるんですね。
人によって、「どうしてこの程度のことでこれほどまでにこの人は反応するんだろう?」と不思議に思うほどの反応をすることがあるのは、その人の心の中にそれほどの反応をするくらい、深い傷があるのだということなのです。
だから、同じ状況で同じように体験しても、人によって受け取り方や反応の仕方が違うのは、内側の条件が違うからなのです。自分はこう感じるのだから、相手も同じように感じるだろうと考えるのは、間違いなんですね。
同じ空間に居ても、隣の人は全く違った現実を体験しているわけです。
このことを踏まえて自分自身や周囲の人を見てみると、一概に「この程度のことなんだからこうすべきだ」と決めつけたり責めたりするのではなく、「その人にとってそれはどうなのか?」という視点から、より現実に即した対応ができるようになります。
みんな、一人一人違う背景を持って独自の感じ方をしながら、この世界をともに生きているのですね。そう考えれば、みんな同じはず!と決めつけるより自然だし、何より自分でないものにならなければいけないというプレッシャーからも解放されるので、楽なのではないでしょうか。
自分の感じ方を在るがままに受け止め、尊重できると、他の人にもそのように接することができます。そして、鏡の法則を通して、周囲の人もそのように自分に接してくれるようになるでしょう。
周囲の人の反応と比べてみて、自分は特にどんな要素に反応しやすいように思えるかを観察してみるのは、自分を知る手掛かりになります。
誰しも傷つくのは嫌なものですから、多かれ少なかれ恐れることはあるでしょうが、その恐れの度合いが人一倍強いようだと見て取ることができるのなら、まだ癒されていない深い傷が眠っているのです。
恐がる自分を責めるのではなく、それほどまでに、深く傷ついているんだね。辛いんだよね。と気づいてあげることが大切です。
あまりにも深く傷ついているとき、私たちは自分が傷ついているという事実自体を否定してしまうことがあります。認めたら、その苦しみを受け止め切れないと思うので、その事実自体を「無かったこと」にしてしまうのです。そうなると、自分でも自分がどれほど傷ついているのかに気づくことができなくなってしまいます。
確かにそうすることで、苦しみに飲み込まれてしまうことは防げるでしょうが、それはあくまで緊急避難措置であり、ずっとその状態を続けられるわけではありません。いずれ必ず根本的対処を求められます。
忘れてしまえば終わり、ではないのです。
ゆっくりと、少しずつでいいので切り離し、抑圧してしまった痛みに向き合って対処していくことです。少しずつ向き合っていく中で、私たちはそれを受け止められる自分を育てていくわけです。
そうしたものに向き合うことを恐れる人は多いですが、そのほとんどの方は、一度にすべてをやろうとして、そのプレッシャーに耐えられないと思っているようです。が、一度にやらなくていいのです。ほんの少しずつ、丁寧に自分を観察しながら進めていくことこそ、自分を深く知る成長のプロセスなのですから。
解放すること、癒しを目標としないことです。魂にとっては、私たちが目標と考えることの方こそ手段に過ぎず、プロセスを通過することの方が目的だったりします。
焦らず、一歩一歩を踏みしめていきましょう。
というわけで、今週の無料遠隔ヒーリングのテーマはこちら。
人一倍反応してしまう要素の奥にある痛みに気づき、受け止めるよう最高最善に働きかける
参加される方は、「無料遠隔ヒーリングの受け方」ご覧になり、 ご理解のうえ2月1日(水)17:00までにメールまたはメールフォームにてお申し込み下さい。 同日20:00より順次働きかけを行っていきます。