探求と恩寵

12日の満月の瞑想会だったのですが、ちょうど瞑想会が行われた時間に月が満ち、サロンの窓からも煌々と美しい満月が見えていました。常連の方、初めての方、お久しぶりの方入り混じっての会でしたが、この日は「自分自身の本質に触れること」がテーマになって行ったような気がします。お集まりくださったみなさま、ありがとうございました。

瞑想会では誘導に入る前に、自己紹介や近況報告などをみなさんにお話しいただいて、その中から誘導のテーマを拾ったりしているのですが、今回は何となく「自身の本質に触れること」がこの場に集ったみなさんの基本的合意としてあるように感じました。

普段は外側のあれやこれに向いていて、あまり自身の本質になんか意識を向けることもないでしょう。余程瞑想や祈りを習慣にしている人でもない限り、私たちはその状態で丸一日を駆け抜けていくことも珍しくはありません。

けれど、この瞬間だけは自分の深奥に在る本質に触れる場として、どこにも意識を泳がせることなく、贅沢にそのためだけの時間を確保するのもとても意義深いことだと思います。

とにかく、その辺りのテーマが決まったので、誘導はできるだけシンプルに、みなさんが自身の本質に触れていくのを邪魔しない程度にしていくことにしました。

瞑想の基本的姿勢を誘導し、身体から意識を命の源にチューニングすると、もうその時点で、みなさんかなり深い変性意識に入っていたような気がします。その状態で、先に選んでいただいていたホログラム(神性幾何学)を順にかけていきました。

20分から30分程度の瞑想を3回、それぞれ適宜ホログラムをかけながら進めていきましたが、全体の印象として、ホログラムのエネルギーがみなさんの中に、とてもスムーズに入って行ったような気がしました。

これまでの傾向としては、たまに抵抗が見られたり、浮上して来るものがあって引っかかったりといったことがあったので、今回も何かしら浮上するようなものもあるかな、と思っていたのですが、意に反してとてもスムーズにエネルギーが浸透していきました。

それぞれの瞑想の合間に、みなさんの状態確認を兼ねてそのときの体感覚などを伺ってみたのですが、どの場面でも基本的に心地いいというご感想が多かったように思います。

2017年というこの時間軸では、もうかなりの部分、私たち自身の内外のふるい分け、選別のようなものが済んでいる状態になっているということなのかもしれません。

思えば2012年の12月23日に世界が終わると多くの人が注目していたあのXデーから、気が付けば4年も経っているのですよね。不思議な感慨を覚えると同時に、信じられないくらい透明になっているこの世界の空気感を改めて感じます。

最近ふと、世界はもうかつて自分が見知っていたものとは、全く別のものになってしまっていると感じる瞬間が繰り返しあります。

機械音痴だったりするので、生活に便利な自分も知らないような家電が世の中に出回っているのを見たり、様々な相互連携サービスの多様さを知るにつけ、その便利さの恩恵に浴する一方で、まるで自分が世界から取り残されているように感じてふと恐くなることがあるのです。

また、SNSなどで多くの人がコミュニケーションをするようになってから、対人とは違った独特のコミュニケーションの方法をベースとした感じ方の違い、表現方法の違いなどに関する記事を読んだとき、それはもはや文化の違いという枠を超えて、何か人間自体が変質してしまったのではないかと思うくらいの衝撃を受けて、自身のその反応の仕方に驚いたことがありました。

世界は既に私の知っていた、思い描いていたようなものではなくなっている。その思いが、何だか今自分が拠って立つこの世界の足元を心許なくさせるのです。

その思いが真実なのかどうかはともかく、私の中に浮上した心細さや不安があるわけですから、意識をしっかりと今この瞬間に置いて、それらを受け止めていくと、慣れ親しんでいるから安心というポジションとは別の、プレゼンスのベースにくつろぐことができます。

プレゼンスを知っていることは、旅に疲れた渡り鳥が羽を休める小枝のごとく、彷徨いやすい私たちの意識に休息の場を与えてくれます。

今回の瞑想会では、私は久しぶりに深い恩寵に触れて涙がとめどなく溢れてくるという体験があったのですが、ここのところ繰り返し感じていたそうした不安感や諸々の心の澱を、恩寵が涙とともに洗い流してくれたような気がします。

じ~っと、自身の深奥に深く深く降りていくと、そこにはいつでも、この恩寵がまるで洪水のように溢れ、降り注ぐところがあるのです。毎回そのように感じるわけではないのですが、それに触れるときは不思議といつも、理屈ではなくて心の中で「わー!」と言葉にならない声を上げ、ただただ涙があふれ続けるのです。

なぜ自分が泣いているのか、叫んでいるのかもわからないままに、魂が震えているのを抑えることができないのです。

自分とはいったい何なのか、世界とはどういうものなのか。いまだに一探求者の私には知る由もありません。探求すればするほどに、ますます謎は深まるばかり。

ただこの恩寵が導くままに、進んでみようと思うのです。

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