愛と受容

私たちは何か辛いことがあった時、しばしば自分を責めたり、こんな私じゃダメだ!と自分を卑下したりすることがあります。けれどそう思うほどに、ますます「だからあなたはダメなんだ!」「あなたのせいだ!」と言う人を引き寄せます。どんなときも自分が自身の最高の味方でいると、あなたの周囲には最高の味方が現れるのです。


私がセッションや普段の在り方において、いつも心に留めている言葉があります。それは「自分の気持ちを抱きしめる」「決して自分を見捨てない」という言葉なのですが、拙書「感情解放ワークブック」のサブタイトルにもしています。

自分自身と向き合い続けてきて、私はこれまでいかにダメな自分、醜い自分を憎み、切り捨ててきたかを痛感しました。そしてそのことがどれほど人生に苦しみをもたらし、私という素晴らしい個性を踏みにじってきたのか、その非人間性をまざまざと思い知ったのです。

自分が自分を嫌い、憎んだなら、「鏡の法則」を通して周囲の人たちがまさに私が自分を憎んだその理由で、私を嫌い、憎みます。

たとえば、あたなが自分の容姿を嫌っていたとします。足は太いし目も小さい、鼻の形も不格好で嫌だといつも思っています。すると、あなたが嫌ったのと全く同じように、周囲の人が「あなたの足は太くてみっともない。目も鼻も不細工だ」とあなたを嫌うでしょう。

あるいは、あなたが自分の仕事のできなさをひどく責め、こんな私じゃどこに行っても使い物にならない。私は無能だ。みんなはあんなに有能なのに、どうして私はこんなこともできないのだろう、と思っていたとします。

すると、同僚や上司、部下から「本当にあなたは使い物にならないね。みんなは当たり前にできることが、どうしてあなたはこの程度のこともできないのだろう?」と責められるのです。

あなたの現実に現れる人々は、みなあなたの内面の在り様を映す鏡です。ひどいことを言われた、されたのだとしたら、あなたが自分に対して、彼らと同じことを自分にしていないかどうか、よく振り返ってみましょう。

自分だけができないとか、人よりも劣っていると思ってしまう状況は確かに誰にでもあると思います。けれどそのとき、自分がどんな風に自身に接するかで、その状況を愛のあるものにするか、非人間的な過酷なものにするかが分かれます。

そんな状況で劣等感を抱いたり、悲しく辛い気持ちになったら、それを責めるのではなく、そっと寄り添って温かく見守ったり、できることを一歩一歩丁寧に進めていくようにすれば、焦って混乱したりすることなく、落ち着いてこの状況を越えて行くことができるでしょう。

誰だって、辛い思いをしているときに責められたら悲しいし、辛さが倍増してしまいます。できないからとか理想の様ではないからと言って、必ずしも否定され、絶望しなければならないいわれはありません。そういう要素にもちゃんと居場所を与えて受け入れれば、幸せでいられるのです。

あなたの現実が、理想の枠からはみ出したものを許さないという状況なのであれば、今一度自分が自分に対して、非常に厳しく自身のある側面を拒絶していないか、振り返ってみて下さい。

自身のあらゆる側面を受容し、愛するほどに、あなたの現実は優しく、愛のあるものになっていきます。

狡い自分、醜い自分、弱い自分。。。それらを在るがままに見つめ、裁くことなくただそれが自身の真実の一部だと認めることは、とても大きな癒しと調和を人生にもたらします。

あなたが自身の真実を否定すると、人生は否定したその要素を受容させるために、まさにそれを体現した人物を送り込んできます。そしてあなたはその人にひどく感情をかき立てられるでしょう。けれどそれこそが、あなたが受容すべきものであるというサインなのです。

私たちは自分が受容している要素には、寛容でいられるものです。たとえば、自分の弱さを受容している人は、人の弱さを受容し、寛容に接することができます。けれど受容していない人は、他者の弱さを徹底的に責めたり批判したりして、どうしても許すことができないのです。

相手は、ただあなたの受容できていない要素を、あなたが統合するチャンスを与えてくれているだけです。そんな風に人生を見たとき、全ての中に、人間目線のジャッジメントをはるかに超えた愛に触れるでしょう。

すべては愛であるというのは、概念でもおとぎ話でもないのです。

ただほんの少しの気づきが、人生の意味合いをまるで違ったものにしてしまうのです。

私たちは苦しみの中にどっぷりと飲み込まれてしまうと、視野が硬直して狭くなり、愛があると言われてもとても信じられないと、自らさらなる地獄に逃げ込んでいくようなことすらします。

けれど、愛は決して逃げません。

あなたが地獄を選んでも、その瞬間ですら愛はあなたから離れることは無いのです。これは、希望ではないでしょうか。

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